トゥルーアイ以外で酸素透過性の良い1dayってないの?

考える外国人女性

酸素透過性とは、レンズがどれだけ酸素を通すかということ。

今まで酸素透過性の高い1dayと言えばジョンソンエンドジョンソン社の「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」だけでしたが、アルコン(旧チバビジョン)とクーパービジョンも、それぞれシリコンの1dayを販売し始めました。

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そもそも酸素透過性って?

酸素透過性という単語にあまり馴染みがない方のため、簡単に説明をしておきます。

人の角膜(黒目)には血管がありません。そのため、角膜が酸素を得るには、空気中の酸素を直接に取り込むか、涙で運んでくるかの二種類の方法に頼ることになります。

ソフトコンタクトレンズの直径は平均して14mm程度と大きめなので、直径12mmの角膜はレンズを付けると完全に覆われてしまいます。空気中から酸素を取り込めなくなると、角膜は、目とレンズのあいだの僅かな隙間から入ってくる涙でしか酸素を得ることができなくなります。

もちろん、角膜が酸欠状態であることは眼にとってよくありません。角膜の酸素不足は眼にとって非常に重要な角膜内皮細胞の死滅を促進させる原因になります。

角膜内皮細胞は、度死滅したら二度と復活することのない細胞です。生まれた時から数が決まっており、それが一定数以下になると視界のクリアさが失われたり、将来的に目の手術が受けられなくなったりしてしまいます。ソフトコンタクトレンズの長時間装用は、結果的に眼の寿命を縮めることにつながるのです。

しかし、仕事や生活スタイルの関係上、どうしてもレンズを長時間付けていなければならないということもあると思います。

そこで重要になってくるのが、レンズの酸素透過率。これはDk/Lによって表され、高ければ高い方が酸素をよく通す、つまり目にとって負担が少ないということになります。酸素透過率は製品によって大きく変わってきます。

ソフトコンタクトレンズの素材には様々なものがありますが、その内最も酸素を通すのは「シリコーンハイドロゲル」という素材です。この素材が発明されて以来、どのメーカーも競って自社独自のシリコンレンズを開発してきました。

「今まで唯一」だったワンデーアキュビュートゥルーアイ

シリコーンハイドロゲル素材は従来素材に比べ高価であるため、1枚辺りの製造費がかかります。そのため、今までのシリコンレンズの製造は、1枚辺りの値段がもともと高い2weekや1monthに限られてきました。

1箱30枚入りの1dayは、1枚辺りの値段がそれぞれ高くなってしまうと箱全体でかなり高価になってしまうため、シリコン素材の1dayを商品化してもそれに対する利益が見込めないだろうという考えたがあったのでしょう。

そんな中、初めてシリコーンハイドロゲルのレンズを売り出したのが、世界シェア1位のコンタクトレンズメーカー、ジョンソンエンドジョンソンです。レンズ名は「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」。1day初めてのDk/L値100超え、高酸素透過性レンズとして注目を浴びました。

一応、他のメジャーな1dayのDk/L値も紹介しておきましょう。

シードの「1daypureうるおいプラス」 はDk/L40、クーパービジョンの「プロリアワンデー」はDk/L22.8、日本アルコン(旧チバビジョン)の「デイリーズアクア」はDk/L26です。そんな中ワンデーアキュビュートゥルーアイのDk/L値はなんと118。他のレンズの3〜5倍ですね。この数値差を見るだけでも、トゥルーアイがいかに酸素透過性の高いレンズであるかがわかるでしょう。

もちろん他の1dayに比べ値段は張りますが、べらぼうに高いというわけでもありません。あくまで現実的に買える範囲の「高い」です。他のレンズに比べ1000円も2000円も高いなんてことはありません。

ワンデーアキュビュートゥルーアイの詳細や価格については、以下の記事で詳しくまとめています。

ワンデーアキュビュートゥルーアイ

トゥルーアイ以外の1dayシリコンレンズ

さて、いよいよ本題ですが、ここからはトゥルーアイ以外のシリコンレンズの紹介と、それぞれの比較を行っていきます。

チバビジョン「デイリーズ トータル1」

日本でも知名度の高いアルコンから出ている酸素透過性の良い1dayです。

世界初のウォーターグラディエントテクノロジーにより、レンズ中心部の含水率が33%と低く、代わりにレンズ表面の含水率が88%以上になるよう設計されており、渇きにとても強くなっています。

気になるDk/L値は、なんと脅威の156

ほとんど2weekと同等、いや、2weekのレンズと合わせてもトップクラスです。
1dayもついにここまできたか…。初めてこのレンズの存在を知った時には衝撃を受けました。

こちらのレンズは、コンタクトのアイシティではまだ取り扱われていませんが、ハートアップやエースコンタクトでは販売されているようです。発売年月日は2014年9月なので製品としても新しく、日本のコンタクト販売店シェア第1位であるアイシティがまだ取扱っていないので、知名度はまだ高くありません。

※追記:2016年よりアイシティでも販売されるようになりました。

デイリーズトータル1についての詳細は以下の記事でまとめています。

デイリーズトータル1

クーパービジョン「マイデー」

こちらは管理人もオススメしているクーパービジョン社から出ている酸素透過性の良い1day。

Dk/Lは100とやや低めですが、それでも100オーバーです。そして良質な製品揃いのクーパービジョンのレンズというだけあって、渇きにも強く、装用感もいい。

いくら酸素透過性が良くても、つけ心地が悪かったりすぐに乾いてしまうようではあまり意味がありませんからね。

なお、このレンズはまだ日本では発売されていません。クーパービジョンは日本でも人気の高いレンズメーカーなのでそのうち発売されることになると思いますが、それまでは海外から輸入代行をしてくれるオンラインショップに頼ることになりそうですね。

※追記:2016より一部国内店舗でも取り扱われるようになりました。

同メーカーのプロクリアワンデーに続き、将来的に主流になる可能性の極めて高いこのレンズ。他のユーザーに先駆けて使ってみる価値は充分にあると思います。

マイデーについては、以下の記事で詳しくまとめています。

マイデー

3つのシリコンレンズをデータで比較

3つの1dayシリコンレンズを、具体的な数値で比較してみました。

項目 トゥルーアイ トータル1 マイデー
メーカー ジョンソンエンドジョンソン 日本アルコン
(旧チバビジョン)
クーパービジョン
直径(mm) 14.2 14.1 14.2
ベースカーブ 8.5/9.0 8.5 8.4
レンズ厚(mm) 0.085 0.089 0.080
酸素透過係数(Dk) 100 140 80
酸素透過率(Dk/L) 118 156 100
含水率(%) 46 33 54
UVカット 有り 無し 有り

こうやって数値を並べてみると、同じ1dayのシリコンレンズでもそれぞれ特徴がありますね。メーカーの個性というか特有の性質が、データによく表れていると思います。

各項目で比較していきましょう。

直径

どのメーカーも同じくらいですね。トータル1の14.1mmという値が少し珍しいくらいで、主立った差異はありません。

ベースカーブ

ジョンソンエンドジョンソンはいつも通り2種類のカーブを用意してますね。目が平たい方と尖った方向けに同じレンズ内でカーブを分けています。

少し気になるのはトータル1とマイデーのカーブですね。小さめです。目の形状が比較的平らである私が試してみてもまったく違和感は感じませんでしたが、私よりもさらに平らな目をしてらっしゃる方ですと、ちょっと気になってくるのかもしれません。

レンズ厚

どのレンズも薄めです。
一応同じメーカーの従来製品と比較してみると、

トゥルーアイ(0.085)/モイスト(0.084)
デイリーズトータル1(0.089)/デイリーズアクア(0.100)
マイデー(0.080)/プロクリアワンデー(0.090)

という感じになります。
トゥルーアイのみ、従来製品のモイストより僅かに厚いですが、残る2つのレンズは、どちらも従来製品に比べより薄く設計されています。

ここでユーザーの皆さんに勘違いしてほしくないのは、「薄い=酸素を良く通す」「薄い=装用感がいい」ではないということ。

レンズの厚さ、直径、含水率、ベースカーブ、そして素材そのものの質相まっての装用感です。これを数値上から判断するのは難しいので、やっぱり付けてみるのが一番ですね。

酸素透過係数

この数値は、正直あまり気にしなくていいです。

酸素透過係数というのは、レンズ素材そのものがどれだけ酸素を通すかという値です。つまりは、まだレンズの形状になっていない状態で計った値だということです。

ユーザーの皆さんが注目すべきなのは、酸素透過係数ではなく酸素透過率です。

酸素透過率

酸素の透過率オンリーでレンズを選ぶのであれば、デイリーズトータル1がオススメです。なんと言っても156ですからね。高い高い。

もちろん、トゥルーアイやマイデーでも従来製品に比べれば圧倒的に高く、今の環境から考えればこのどちらに変えても問題ないと思います。既にトゥルーアイを使っているという方は、そのまま継続して使ってもらって全然問題ありません。

含水率

各メーカーの特徴が一番表れているのが含水率ですね。クーパービジョンのマイデーはやはり含水率高め。装用感の良さに重点を置いています。

一方のチバビジョンのトータル1は含水率がかなり低い。とにかく酸素透過率を高めるためにこの値に設定しているのでしょう。

ジョンソンエンドジョンソンはその間をとって、可もなく不可もなくといったところでしょうか。

ちなみにトータル1の33%という値はレンズ中心部の値です。それを覆う表面部分は、88%というものすごく高い値になっています。イメージでいうとどら焼きに近いかもしれませんね。含水率が素材を、含水率の高い素材で包んでいるような三層構造になっています。

トータル1の三層構造

一般的に、含水率の高いレンズというのは柔らかい反面、乾きや汚れに弱くなります。しかし一方で、乾きや汚れに強くしようと思って含水率を下げすぎてしまうと、レンズは硬くなってしまいます。

その理屈から考えると、このトータル1に採用されているウォーターグラディエントテクノロジーはかなり画期的なものになります。この数値をそのまま捉えるなら、あんこの部分の含水率を低くして乾きにくくし、皮の部分の含水率は高めに設定してあるので装用感の良さも両立できている、というわけですからね。最強です。

まあ、とは言ってもこれはあくまで理論上のお話なので、実際に使ってみないとわからない部分をも大きいでしょう。レンズの性能がいくらよくても、その人の眼との相性しだいで良し悪しはいくらでも変わりますからね。

UVカット

コンタクトレンズのUVカットは、おまけくらいに考えておきましょう。サングラスのように遮光性があるわけではありません。無理してUVカットが入っているものを選ぶよりは、自分が選んだものにUVカットがたまたま入ってたらラッキー、くらいの認識でいいと思います。

結局この3つならどれがいいの?

さて、今回は3種類の酸素透過性の高い1dayを紹介させていただいたわけですが、ユーザーの皆さんが気になるのは、結局どれが一番いいの、ということかと思います。

正直、一番を決定するのは難しいです。というのも、レンズの善し悪しは使う人の感覚によって全く違ってくるので。性能的に最も優れているレンズを付けても装用感が悪ければ意味がないですし、装用感がもよくても、コストがかかりすぎるようではそれを使っていくことはできません。

3種の高酸素透過性1dayのうち、性能的に最も優れているのは「デイリーズトータル1」です。やはり圧倒的な酸素透過率と、ウォーターグラディエントテクノロジーによる渇きへの対策。どうしても長時間装用しなければいけない方や、目の健康を第一にと考える方にはこのレンズがオススメです。

しかし、性能を重視しすぎると、装用感はどうしても下がってしまうもの。装用感重視であれば、上の3種の中ならマイデーがオススメですね。

クーパービジョンというメーカーは、昔から、レンズの装用感や渇きに対する強さに重きをおいています。やっぱりコンタクトレンズはずっと目に入れてられることが第一ですからね。ちなみにマイデーは、クーパービジョンのコンタクトレンズで初めてUVカットが搭載された製品です。

残るトゥルーアイは、やはり3種の中では平均的なレンズを言えるかもしれません。値的にもそうですしね。ただ、トゥルーアイは、今回紹介させていただいた3種のレンズのうちでは最も安価です。

また、どこのショップでもだいたい売っています。酸素透過性の良いレンズを使いたいけれどコストも抑えたいという方にはオススメかもしれません。お店で買うと高いですが、オンラインショップを利用すれば2,000円程度で購入することができます。

各1dayシリコンレンズへのリンク

ワンデーアキュビュートゥルーアイはどこのショップでも買うことができますが、デイリーズトータル1、マイデーは買えるショップが限られます。ネット通販で購入してしまった方が無難でしょう。価格も抑えられますからね。

ワンデーアキュビュートゥルーアイに関しては、ネット通販を利用するだけで1,000円以上コストを抑えることができます。以下の記事で、取り扱っているネット通販ショップの情報などを含めレンズの詳しい解説等を行っているので、ぜひ参考にしてみてください。

ワンデーアキュビュートゥルーアイ
デイリーズトータル1
マイデー