ソフトコンタクトレンズの付け方のコツ

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コンタクトレンズのユーザーなら、誰もが一度は、がなかなか付けられず困ったことがあるのではないかと思います。

眼に入れようとしてもすぐ指の上で裏返ってしまったり、入れたと思って目を開けてみたらまだ指の上にあったり、一度は付いたものの、瞬きをした瞬間にはずれてしまったり。

コンタクトレンズが付かないのって、忙しい時だとすごく困りますよね。失敗が重なるとイライラしますし、焦ると余計に付きにくくなります。それで更にイライラして……と負のスパイラルに陥りかねません。

そこで当記事では、ソフトコンタクトレンズがなかなか付かないという人のために、付け方のコツを書いてみました。学校や会社に行く前に煩わしい思いをしなくて済むように、しっかりとコツを掴んでおきましょう。

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ソフトコンタクトレンズが付けづらい・付けられない原因

まずは付けづらい・付けられない原因のチェックから。以下に思いつくものをまとめてみました。自分に当てはまるものがないか、確認してみてみましょう。

1. 瞼が充分に開けられていない

コンタクトレンズがうまく付けられない原因のNo.1はこれです。瞼が充分に開けられていない状態でレンズを付けようとしても、レンズが瞼や睫毛に引っかかってしまい、なかなか付けられません。

両手中指を使って大きく眼を開き、きちんと瞼を抑えておきましょう。抑えていても滑ってしまうという人は、指先が濡れていないかを確認しましょう。また、指を当てる位置も大事です。眼の縁(睫毛の生え際)から指が離れ過ぎてしまうと、しっかりと眼を開けることができなくなります。

2. まばたきが我慢できていない

これもレンズが付けられないメジャーな原因の1つです。初心者の方には難しいことでしょうが、レンズを付け終わるまでまばたきをしてはいけません。まばたきが我慢できなければレンズを入れることはできません。指で瞼をしっかり抑えたつもりでも、一度まばたきをするだけで、抑えた意味がほとんどなくなってしまいます。

どうしてもまばたきしてしまうという人でも、毎日つけはずしを行なっていれば自然と我慢できるようになってきます。

3. レンズを入れない方の眼を閉じている

人間の両目は連動しています。ウィンクをする時に開いている方の眼を閉じたくなってしまうのは、このためです。レンズを入れる時、入れない方の眼を閉じていると、入れる方の眼もそれに釣られて閉じたくなります。両目をしっかりと開けることを意識しましょう。

4. レンズが眼に定着していない状態で指を離している

レンズが眼に付いたと思ってすぐ指を離してしまうと、レンズが指の方に付いてきてしまうことがあります。レンズが眼に付くためには、眼と指それぞれへの吸着率が「眼>指」にならなければいけません。

眼にレンズが付いたと思ったら、指を眼に触れたまま1、2秒程度待ちましょう。表面張力が働き、レンズが眼に吸着します。指を離すのはそれからです。

5. レンズが眼に定着していない状態でまばたきをしている

眼に付いたばかりのコンタクトレンズは内側に空気が入り込んでいることがあります。その状態でまばたきをすると、瞼の圧力によってレンズが外に飛び出してしまいます。

これは視線を下に向けることで対処できます。レンズが付いたと思ったら、まず視線を下に向けてください。もちろん眼を開いたままです。

視線を下に向けると、眼球と下の瞼に挟まれてレンズ内の空気が抜けるので、それからゆっくりと眼を閉じてください。眼を閉じる速度が速いとレンズが飛び出す恐れがあるので、ゆっくりと。

6. 顔の向きが悪い

レンズを付けるとき、顔が鏡に対して斜め横を向いていると、黒目が眼の端に行ってしまいレンズが付けづらくなります。顔が鏡にまっすぐ向くようにしましょう

また、鏡から顔が離れすぎるとレンズの動向をちゃんと確認することができなくなります。できるだけ鏡に顔を近づけて付けるようにしましょう。

7. 眼のサイズ的な問題

眼の大きさは人それぞれなので、どうしても眼の大きさによる付けやすさの違いは出てきてしまいます。しかし、コンタクトレンズが入れられないほど眼が小さい人という人はまずいないので、安心してください。

私はかれこれ10年近くで装用練習を指導してきましたが、眼が小さ過ぎてレンズを入れられなかったというケースは一度もありませんでした。

眼が小さめな方でも、開け方を改善したり、入れ方を改善したりすることで対処することができます。工夫してみましょう。

ソフトコンタクトレンズの付け方・手順

それでは、コンタクトレンズを入れて行きましょう。以下にフローチャートを用意したので、参考にしながら付けてみてください。

1. 手を洗う・爪を消る・コンタクトレンズをケースから取り出す

まずは基本的なところから。

コンタクトレンズを付けるための準備をしっかり整えましょう。レンズをケースから取り出す際は、爪を立てたり、ケースの縁に引きずったりしないように。付け心地の違和感が出たり、角膜に傷を作ってしまったりする原因になります。

2. コンタクトレンズを利き手人差し指に乗せる・裏表を確認する

左右の眼でレンズを付ける指を変える人がいますが、基本的には両方同じ指でいいでしょう。レンズには裏表があります。人差し指に乗せて、裏表を確認しましょう

[caption id=”attachment_1908″ align=”alignnone” width=”700″]ワンデーアキュビューモイスト ジョンソンエンドジョンソン「ワンデーアキュビューモイスト」の裏表。左が表、右が裏。[/caption]

上の写真だとちょっとわかりづらいかもしれませんが、ソフトコンタクトレンズは基本的に、表の状態(正しい状態)だと縁が丸みを帯び、裏返った状態だと縁が尖るようになっています。また、裏返っていると、全体的にレンズが平べったくなります。

レンズによっては、上の画像よりもさらに裏表の見分けがしづらいものもありますが、慣れれば必ず見分けられるようになります。わからないうちは、なるべく裏と表を見比べるクセをつけましょう。

裏表が合っていたら、レンズがちゃんと付けられる状態になっているかをチェックしましょう。以下の3つをチェックしてください。

  • レンズの縁がすべて指からはなれているか(ちゃんとお椀が上向きになっているか)
  • レンズが指先からは離れ過ぎていないか
  • 充分な潤いが保たれているか

指先に乗せているうちにレンズが乾いてしまった場合は、すすぎ液やケース内の液を使って潤いを持たせましょう。

1dayを使っている人はおそらくすすぎ液を持っていないと思うので、レンズケース内の液体を使います。もし落としてしまった際の洗浄にも使えるので、レンズを付け終わるまでこの液体は取っておきましょう。

3. 両手中指の水分を拭き取る

瞼をしっかりと抑えるため、両手の中指が濡れていないかを確認しておきましょう。指先が濡れていると、瞼を抑えようとしても指が滑ってしまいます。しっかりと水分を拭き取っておきましょう。

4. 利き手の中指で下瞼を引っ張る

まず、利き手の中指で下瞼を引っ張ります。ちょうど「あっかんべー」をするように。もちろん、この時人差し指の上にはコンタクトレンズが乗っています。

上にも書きましたが、指先が瞼の縁から離れすぎてしまうと眼がきちんと開けられません。なるべく縁の部分(睫毛の生え際)に、しっかりと指を当てるようにしてください。

5. 利き手ではない方の手で上瞼を引っ張る

今度は上瞼を引っ張ります。この時注意すべきことは、非利き手でレンズを入れない方の眼を覆わないようにすることです。両目でちゃんと鏡を見られるようにすることが大切なのです。

6. レンズを入れる

さて、眼をきちんと開くことができたら、いよいよレンズを入れていきます。両手の中指で瞼を開いたまま、ちゃんと黒目を狙ってレンズを近づけましょう。この時気を付けるべきことは以下の3つです。

  • 黒目を左右上下に逃がさない
  • まばたきを極力我慢する
  • レンズを入れない方の眼も開けておく

まあ、黒目を逃がすな、まばたきをするな、と言われても初心者の人には難しいかと思います。でも、慣れてください。おそらくはやっているうちに慣れると思いますが、これに慣れることがコンタクトレンズをスムーズに入れられるようになるための第一歩です。

7. レンズが眼に付いたら1、2秒数える

レンズがちゃんと眼に付くまで待ちます。絶対に2秒待たなければいけないというルールはありませんが、そうした方が成功率は上がります。

8. 視線を下にやり、ゆっくりと眼を閉じる

レンズ内の空気を抜くために、視線を下に逃がします。レンズが飛び出さないよう、そのままゆっくりと眼を閉じましょう。

9. 違和感がないことを確認

レンズを付けた後に違和感があった場合、まばたきを繰り返せば解消される場合があります。瞬きを繰り返しても違和感が残る場合は、一度レンズをはずしてみましょう。

ゴミが付いている可能性があるので、すすぎ液やケース内の液体を使って洗浄してください。また、レンズの裏表が間違っている場合もあります。チェックしてみましょう。

ソフトコンタクトレンズの付け方まとめ

以上がコンタクトレンズの付け方のコツになります。きちんと手順を踏んで書かれていることを実践していけば付けられないということはないと思います。

私はいつも上記の手順を踏んでコンタクトレンズの付け方を患者さんに教えていますが、最後まで入れられなかったということはありません。

どんなにレンズを付けるのが苦手という方でも、慣れよう、練習しようという気があれば改善します。逆に気持ちがなければ改善はできません。

肝心なのは諦めずに取り組むこと。たかだかコンタクトレンズのために時間を割くのはもったいないと思うかもしれませんが、レンズを上手くつけられず、毎朝の貴重な時間を浪費し続ける方がもったいないです。できるだけ早いうちに、スムーズにレンズを付けられるようになっておきましょう。

レンズが付けられない方のための最終兵器

皆さんは「メルル」という道具を知っていますか?

ソフトコンタクトレンズの付けはずしが苦手な人のために開発されたアイテムです。

meruru(メルル)

端的に言ってしまえば、コンタクトレンズをはずすためのピンセットです。先端にゴムが付いているので目を傷付けることなくレンズをはずすことができます。

レンズを付ける時は、末端部の「ラッパ部分」の上にレンズを乗せて取り付けます。指で付けるのに比べ、レンズに直接触れないので汚さずに済むこと、レンズが指に貼り付いて付けづらいことなどが、メリットとして挙げられます。

メルルは、どちらかというとレンズをはずすことに特化したアイテムですが、付ける際にも使えるので、一つ持っておいてもいいかもしれませんね。

参考リンク

メルルが気になる方は、以下のリンクをクリック。当サイト内のメルル紹介ページです。

ソフトコンタクトレンズの付けはずし機器「メルル」の使い方・口コミ・通販

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