ソフトコンタクトレンズ用タンパク除去剤に効果はあるのか?

先日眼科にいらっしゃった患者さんに聞かれたので、タンパク除去剤の効果について自分の見解を書いてみようと思います。

スポンサーリンク

タンパク除去剤とは?

その名の通り、コンタクトレンズに付着したタンパク汚れを除去する薬です。液体タイプのものと、錠剤タイプのものがあり、どちらもコンタクトレンズ保存液の中に入れて使います。

タンパク汚れを放っておくと、レンズにこびりついて、見えづらさや付け心地の悪さの原因となります。また、アレルギー症状が出る原因にもなりかねないので、毎日適切なケアを行い、汚れが固着する前に取り除いておく必要があります。

洗浄液にもタンパク除去剤は入っているか

市販のソフトコンタクトレンズ洗浄保存液のパッケージに、「タンパク除去」と記載されているものがあります。たとえばこちら。

コンプリート クリアコンフォート

「コンプリート クリアコンフォート」という製品です。これ一本で洗浄、消毒、保存が行なえる、「MPS(マルチパーパスソリューション)」と呼ばれる種類の洗浄液ですね。パッケージにはしっかりと「タンパク除去」の文字が見受けられます。

書かれているからには多少なりとも効果はあるのでしょうが、実はMPSのタンパク除去って、それだけに特化した本格的な除去剤と比べると効果はだいぶ低めです。

例えるなら、オールインワンジェルの化粧品のようなものでしょうか。男性にはあまりピンとこないかもしれませんが、オールインワンジェル化粧品とは、化粧水・美容液・乳液・美容クリームが一つになった化粧品のことです。

オールインワンジェル化粧品は複数の化粧品の効果を同時に得られるので便利ですが、「化粧水・美容液・乳液・美容クリーム」を個々で使っていくのに比べると、どうしても得られる効果は薄くなってしまいます。

MPSにもこれと同じことが言えます。一つの液で洗浄も消毒も保存もできるMPSは便利ですが、やはり、洗浄専門のケア用品、タンパク除去専門の除去剤などに比べるとおのおのの効果は低めです。

パッケージに「タンパク除去」と記載されているからといって「タンパク除去はバッチリ」と考えてしまうのは、やや安易かもしれませんね。

ソフトコンタクトレンズ用タンパク除去剤に効果はあるのか?

ちょっと前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。「ソフトコンタクトレンズ用タンパク除去剤に効果はあるのか?」この疑問についてまとめていきます。

まず、効果があるか、という問いに対してですが、もちろんあります。しつこくこべりついてたタンパクを完全に除去することは不可能ですが、付着したばかりのタンパク汚れなら、漬けておくだけでほとんど除去してくれます。

しかし、2weekのコンタクトレンズの場合は、タンパク除去剤を使う前に新しいレンズに変えてしまった方がいい場合もあります。タンパク除去剤って、効果のわりにけっこう高価なんです(ダジャレではありません)。

これは、私が眼科検査員として働き始めた頃によく読んでいた専門書にも書いてあったことですが、高価なタンパク除去剤を買ってレンズを延命するくらいなら、レンズの寿命までにまだ日数があっても、汚れが溜まってきたと思ったら新しいレンズに換えてしまった方が、経済的ですし健康的です。

ソフトコンタクトレンズ用のタンパク除去剤が最大限に効果を発揮するのは、使い捨てではない、長期タイプのコンタクトレンズに使用する場合です。長期タイプのコンタクトレンズは定期的に交換するということができないので、タンパク除去剤を使用するメリットがあります。

1monthのコンタクトレンズについては、微妙なところです。使ってもまったく問題ないと思いますが、2weekと同様、汚れが気になってきたら早いうちに新しいレンズに換えてしまった方が眼に取っては健康的だと思います。

メジャーなタンパク除去剤

使い捨てなら必要ない、とは言ったものの、せっかくタンパク除去剤について触れたので、メジャーなタンパク除去剤をいくつか紹介しておきます。

コンプリート 酵素クリーナー

コンプリート 酵素クリーナー
こすり洗いタイプの洗浄保存液「コンプリート」用のタンパク除去剤です。コンプリートで満たしたレンズケースに入れて使います。

コンセプト 酵素クリーナー

コンセプト 酵素クリーナー

こちらは付け置きタイプの洗浄液「コンセプトワンステップ」用のタンパク除去剤です。使い方はコンプリートの酵素クリーナーと同じ。

プラスワン

プラスワン
こすり洗いタイプの洗浄保存液、付け置きタイプの洗浄液の両方に使えるタンパク除去剤です。

タンパク除去剤を使うくらいなら

これは完全に個人的な考えなので異論もあるかもしれませんが、私は、タンパク除去剤を使うくらいなら、最初から長期タイプのソフトコンタクトレンズや1monthなどと使わず、汚れへの耐性が高い2weekを使った方がいいのではないかと思います。

2weekと1monthで比べてみても、値段や性能的な部分に大きな差があるわけではありませんし、むしろレンズ交換スパンが短くなるので、2weekの方が眼にとっては健康的です。

長期タイプのコンタクトレンズも、今では使っている方もめっきり減りました。ランニングコスト的にはかなり安いですが、メリットと言えばそれだけで、酸素透過率の低さやレンズの劣化などを考えると、使い捨てコンタクトレンズが使えるならそちらを使ってしまった方がいいと思います。

2weekのコンタクトレンズにするのであれば、私は、アメリカのクーパービジョンというメーカーが製造・販売を行なっている「バイオフィニティ」という製品をオススメします。バイオフィニティは、2weekでは最高クラスの酸素透過率と、汚れや乾きに対する強さ、優れた装用感を兼ね備えた高性能なコンタクトレンズです。

一応、以下に当サイト内詳細ページへのリンクを張っておくので、よかったら参考にしてみてください。

バイオフィニティの詳細データ・ネット通販価格比較