子供のコンタクトレンズデビューは何歳から?

縁側と子供

テレビゲームなどの普及により、子供の早い段階からの視力低下が懸念される昨今。

体育や部活動のため、早いうちからコンタクトレンズを使わせたいと考えている保護者様も多いと思います。

でも、子供にコンタクトレンズをさせるのって、健康や安全のことを考えるとどうなのでしょう。何歳からコンタクトレンズデビューをさせるのが理想的なのでしょうか。

今回は、そんな疑問をお持ちの保護者様の方のために、子供のコンタクトレンズデビューについて書いていきたいと思います。

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子供のコンタクトレンズデビューは何歳から?

小学生でも、バスケットボールやサッカーなどのスポーツをやっていたりすると、眼鏡ではなくコンタクトレンズを使いたいという場面があると思います。

体操や格闘技など、強い衝撃がつきもののスポーツをやっていたりすると、眼鏡をかけて行うのはほぼ不可能ですね。近視が強い子供がそれらのスポーツをする場合、コンタクトレンズは必須アイテムです。

しかし、そういった「どうしても付けなければいけない理由」がない限り、小学生からのコンタクトレンズ使用はなるべく避けた方がいいです。

というのも、小学生のお子様ではコンタクトレンズを正しく取扱うことが難しく、レンズをつけている途中にトラブルが生じた場合、落ち着いて充分な対処をすることができず事態を悪化させる可能性があるからです。

また、幼い頃からのコンタクトレンズ装用は、眼にとって非常に重要な角膜内皮細胞の死滅を促進させる原因になります。角膜内皮細胞は、生まれた時から数が決まっていて、一度失ったら二度と戻らない細胞です。普通に生活していても歳をとるごとに少しずつ減っていくのですが、酸素透過性の低いコンタクトレンズを使ったり、毎日長時間付けていると減少が速くなります。

以上の二点が、小学生からのコンタクトレンズ使用がおすすめしない理由であり、使用する場合に承知しておかなければならないリスクとなります。

これらを踏まえた上でも、どうしてもコンタクトレンズが必要だという場合には、眼科医に相談し、指示を受けてみるといいでしょう。

お子様が眼科でコンタクトレンズの処方を受けるための5条件

個人的には、子供のコンタクトレンズは高校生になってからが望ましいと考えています。

しかし、先にも述べた通り、どうしても高校生になる前からコンタクトレンズが必要になるお子様もいると思います。

そこで、子供にコンタクトレンズを使わせてたいと考えている保護者様のために、子供にコンタクトレンズを使わせる上で必ずクリアしておいてほしい条件を5つ挙げてみました。

コンタクトレンズの処方を受けるためには以下条件をすべて満たしている必要がある、というわけではありませんが、子供の眼の健康を考えるなら必ずクリアしておいてほしい条件です。もし以下の5条件の中に不足しているものがあれば、使い始めの段階でしっかりと押さえておいてください。

1、ちゃんと目に合った眼鏡を持っていること

子供が度数の合った眼鏡を持っていないようであれば、コンタクトレンズを作る前にそちらを作りましょう。

眼鏡は、コンタクトレンズを利用する上で必須アイテムです。

なぜなら、コンタクトレンズは眼にトラブルがある時には付けられないからです。たとえば、ものもらいになっている時に無理にコンタクトレンズを付けてしまうと、症状を悪化させる原因になります。

コンタクトレンズが付けられない時の逃げ道として、眼鏡は必ず用意しておきましょう。もちろんこれは、子供に限った話ではありません。すべてのコンタクトレンズ利用者に共通して言えることです。

2、コンタクトレンズの付けはずし・ケアを保護者が指導できること

お子様がまだ小学生・中学生であるうちは、コンタクトレンズを自分一人でちゃんと扱えるかどうか不安が残ります。そのため、子供のコンタクトレンズの取り扱いは、日頃から保護者がちゃんとチェックしてあげることが大切です。

そのためにも、保護者の方が正しいコンタクトレンズの使い方を理解しておくことが大切になります。

3、定期検査にも保護者が付き合えること

眼科によっては、レンズ装用開始から1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、以降3ヶ月毎あるいは眼科医の指示によって定期検査に来るよう指導するところもあります。定期検査がなくとも、処方箋の有効期限が短い眼科では、半年に一度以上は、処方箋をもらうために眼科へ出向くこともあるでしょう。

成長期のうちは角膜のカーブや視力が変動することも多く、それに合わせて、コンタクトレンズの種類や度数が変更されることも多々あります。子供の眼の状態、使用しているレンズの性質などを把握するためにも、定期検診には保護者が必ず付き添うようにしてください。

4、装用時間をお子様がきちんと守れること

コンタクトレンズは必要な時のみ使用させるようにしてください。

先にも述べた通り、若い頃からのコンタクトレンズ長時間装用は、角膜内皮細胞の死滅を早める原因になります。「付けるのは部活の時だけ」などとあらかじめルールを定めていた方がいいでしゅ。

5、コンタクトレンズ装用時にアクシデントがあった場合、お子様が一人で対処できること

コンタクトレンズを付けていて、突然のゴロゴロ感やかゆみが生じることは多々あります。もしかしたら、レンズが目からはずれてしまうことだってあるかもしれません。

そういった場合に、あなたのお子様はちゃんと対処ができるでしょうか?

コンタクトレンズを使用するお子様には、思わぬアクシデントが発生した時に慌てず対応出来るだけの精神的成熟がもとめられます。

それが少し難しそうだと判断された場合は、徹底的に指導をしておく必要があります。それでも難そうなら、お子様がもう少し精神的に成熟するのを待った方がいいかもしれません。

まとめ

以上のことが、子供にコンタクトレンズを使用させる際に重視してほしい5つの条件になります。ちなみに、これら5条件はあくまで最低条件なので、これら項目を全てクリアしていても、目や健康状態によっては、眼科医がコンタクトレンズの処方を許可しない場合があります。

コンタクトレンズは便利な道具ですが、使い方によっては危険を招く可能性がある「高度医療管理機器」です。人間の五感を司る期間の中で最も重要な「眼」に直接取り付けるものだということを、忘れないようにしましょう。

子供にコンタクトレンズを使わせる場合は、眼科医とよく相談し、普段は眼鏡、スポーツ時のみ1dayを使用するなどして、負担が極力かからないようにコンタクトデビューをさせてあげてください。