2weekコンタクトレンズの種類が多過ぎて選べないという方へ。
現役の眼科検査員である管理人が、性能や乾きにくさなど様々な観点からおすすめの2weekコンタクトレンズをランキングしてみました。
- 非シリコンレンズランキング
- シリコンレンズランキング
- 酸素透過率ランキング
- コストパフォーマンスランキング
どのランキングも順位は1〜3位まで。最後にはすべての部門を総括した「トータルランキング(1〜5位まで)」を設けました。レンズ選びの参考にしてみてください。
目次
各種ランキングを見る前に知っておきたいこと
ソフトコンタクトレンズの素材は、大きく2つの素材に分けることができます。
1つは、ヒドロキシエチルメタクリレート。水分を多く含んだ柔らかい素材です。基本的に付け心地がいいですが、酸素透過性が低いので、長時間の装用感には向いていません。
もう1つは、シリコーンハイドロゲル。酸素透過性に優れた素材です。ヒドロキシエチルメタクリレートに比べ眼にかかる負担が少なく、健康的ですが、付け心地がやや硬めなのでその点を嫌う方もいます。
現在、市場に出回っているほとんどの2weekはシリコーンハイドロゲル素材で作られた高酸素透過性コンタクトレンズです。
シリコン素材は非シリコン素材に比べやや材質がやや硬めという難点がありますが、眼への負担は圧倒的に少ないので、実際につけてみて問題がないようであれば積極的にシリコン素材の製品を使っていくようにしましょう。
もしどうしてもシリコン素材になじめず非シリコン素材の2weekを使うのであれば、装用感時間に気をつけましょう。極力みじかい時間で使うよう心がけてみてください。
酸素透過性と酸素透過率
酸素透過性とは、そのコンタクトレンズがどれだけ酸素を通すかを示す言葉です。酸素透過性が高い、低い、というような使われ方をする用語です。
似た言葉に酸素透過率がありますが、これは酸素透過性を具体的な数値で表したものです。酸素透過率の単位にはDk/Lを使います。
「よくわからない」「ややこしい」という方は両方共同じ意味のものだと思っていただいても差し支えはないでしょう。
なぜ酸素透過性が重視されるか
角膜は皮膚と同じように呼吸しています。そのため、コンタクトレンズを長い時間付けることによって酸素不足になると、角膜内皮細胞という眼にとって重要な細胞が死滅してしまいます。
角膜内皮細胞は一度減ったら二度と増えない細胞です。この細胞が極端に少なくなってしまうと、視界にかすみが生じたり、角膜にできた傷の治りが悪くなって感染症にかかりやすくなったりしてしまいます。
角膜内皮細胞はコンタクトレンズをしていなくとも加齢とともに少しずつ減っていくものですが、酸素透過性の低いコンタクトレンズを使っているとその減りが速まります。
さすがに一晩や二晩で健康的な状態から致命的な状態になってしまうようなことはありませんが、長い間慢性的な酸素不足が続くのは危険です。
なるべく酸素透過性の高い製品を、なるべく短い時間で使う。
これが難しければ、1週間のうちに何日か眼鏡で過ごす日などを設けて、眼への負担を和らげるようにしてみましょう。
ランキングの見方
当ランキングでは、各コンタクトレンズの「付け心地」「乾きにくさ」「酸素透過性」「コストパフォーマンス」を、それぞれ5つ星評価で表しています。なるべく公平に評価していますが、やはり管理人の独断と偏見が混ざってしまっている部分もあると思います。あくまで参考程度にご覧下さい。
レンズ詳細ページのボタンからは各レンズについてより詳しく解説したページへ行けます。
ネット通販で安く買うのボタンをクリックすると、それぞれの製品ごとの通販価格比較の結果から管理人が選んだ、安く安全に購入できるネットショップの商品ページへ行けます。
製品について詳しく知りたい、ネット通販を利用して安く買いたいという方は参考にしてみてください。
それでは、長くなりましたが、ランキングを見ていきましょう。
非シリコンレンズランキング
今や主流な2weekのほとんどはシリコーンハイドロゲル素材を使ったコンタクトレンズ(シリコンレンズ)です。シリコンレンズは従来製品である非シリコンレンズに比べ酸素透過性が高く、眼にとって健康的だからです。
しかし、シリコーンハイドロゲル素材は従来素材に比べるとやや硬めなので付け心地も悪くなりがち。もちろん微々たる差ですが、敏感な方だとその差が気になってしまい、シリコンレンズが全般的に付けられないということもあります。
シリコンレンズが主流になった今、非シリコン2weekの立ち位置は、「シリコンレンズが付けられない人のためのレンズ」となっています。ここでは非シリコン2weekレンズを、その装用感や乾きにくさ、普及度などを基準にランキングしてみました。
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- 1位 2ウィークアキュビュー
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★☆☆☆酸素透過性:★★★☆☆コスパ:★★★★☆
- 非シリコンUVカット
- ジョンソンエンドジョンソンの定番2week
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世界シェア1位のメーカー、ジョンソンエンドジョンソンが製造・販売を行っている非シリコン2weekです。
非シリコンなので酸素透過率が低く、乾燥にもそれほど強くないですが、装用感がとてもいいのでシリコンレンズが好きになれないユーザーに根強い人気があります。
UVカット機能が備わっているので、それを目当てにこの製品の選ぶ方も多いですね。ベースカーブも2種類用意されているので、多くの方の眼に対応することができます。
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- 2位 2ウィークアクエア
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付け心地:★★★☆☆乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★☆☆☆コスパ:★★★★☆
- 非シリコン
- 2weekアキュビューより乾きに強い?
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世界シェア第3位のメーカー「クーパービジョン」が製造・販売を行っている2weekシリコンレンズです。
ベースカーブが一つで固定、UVカットがないなどの点で2ウィークアキュビューに劣りますが、乾燥への耐性は2ウィークアキュビューよりも高い(※)です。販売店最大手のアイシティが推奨しているため普及度も高く、知名度のわりにはユーザー数も多い印象を受けます。
※個人差があります。
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- 3位 2ウィークピュアうるおいプラス
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付け心地:★★★★☆乾きにくさ:★★★☆☆酸素透過性:★★★☆☆コスパ:★★★★☆
- 非シリコンUVカット純国産
- 数少ない純国産2week
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日本のメーカー、シードが製造・販売を行っているコンタクトレンズです。上位二製品と比べると知名度はいささか下がりますが、製造のすべての工程が日本国内で行なわれているため、純国産にこだわりたいユーザーに人気があります。
形状保持制に優れ、UVカット機能も兼ね備えています。汚れを寄せ付けにくい両性イオン素材でできているのもポイントの1つですね。
シリコンレンズランキング
シリコンレンズとは、シリコーンハイドロゲルを素材に用いたレンズのことです。酸素透過率が高いのが特徴で、だいたいのレンズが従来製品の3〜5倍以上の値になっています。
1dayのシリコンレンズはまだ世界に三つしかありませんが、2weekはシリコンレンズの種類がとても豊富です。価格もそれほど高くないので、今ではほとんどのユーザーが、シリコン素材のレンズを使用しています。
このランキングの順位は、酸素透過率の高さだけでなく、付け心地や乾きにくさ、コストパフォーマンスなども加味して決定しています。
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- 1位 バイオフィニティ
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★★コスパ:★★★★☆
- シリコーンハイドロゲル
- シリコンなのに柔らかい? 付け心地の良さと高い酸素透過率を兼ね備えた高性能レンズ
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クーパービジョンが製造・販売を行っている2weekのシリコンレンズです。
酸素透過率を表すDk/L値が160と非常に高いこともそうですが、材質がとても柔らかいため、シリコンレンズの付け心地が苦手という方にも人気があります。乾きにも強いですね。
2ウィークアクエアと同様にアイシティが積極的に販売しているため、ここ数年で急激にシェアが広がってますね。
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- 2位 アキュビューオアシス
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲルUVカット
- 2ウィークのアキュビューでは最高峰!
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ジョンソンエンドジョンソンの2weekには三種類の製品がありますが、オアシスはその中で最も性能の高いコンタクトレンズです。
1位のバイオフィニティよりは若干下がりますが、147Dk/Lという酸素透過率はすべての2weekの中でもトップクラス。バイオフィニティにない強みとしては、非シリコンの「2ウィークアキュビュー」と同様、UVカット機能が備わっていることや二種類のカーブが用意されていることが挙げられます。
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- 3位 エアオプティクスアクア
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付け心地:★★★☆☆乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲル表面プラズマ加工
- 性能は高いが硬さがネック?
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世界シェア第2位のアルコン(旧チバビジョン)が提供する2weekシリコンレンズです。酸素透過率は138Dk/Lと、上位二製品と比べるとやや下がりますが、それでもかなり高い水準です。
上位二製品にない強みとしては、表面にプラズマ加工がされているため非常に汚れに強いことと、全体的なバランスの良さが挙げられます。コストパフォーマンスもいいですね。
ただ、シリコーンハイドロゲル素材の2weekの中では特に硬い部類に入ります。個人的にはとても好きな製品ですが、付け心地を重視する方にはちょっと合わないかもしれませんね。
酸素透過率ランキング
「シリコンレンズランキング」とは違い、酸素透過率以外の全ての要素を無視したランキングです。酸素透過率の高い順に3位まで並べています。
このランキングで3位までしかレンズを紹介しませんが、当サイトでは「ソフトコンタクトレンズ酸素透過率ランキング」というものも用意しています。私が知りうる限り全ての使い捨てコンタクトレンズをランキングしているので、興味がある方は参考にしてみてください。
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- 1位 2ウィークメニコンプレミオ
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付け心地:★★★☆☆乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★★★★コスパ:★★★☆☆
- シリコーンハイドロゲル純国産
- 酸素透過率では最高の2week
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日本のコンタクトレンズメーカー、メニコンが製造・販売を行っている2weekのシリコンレンズです。酸素透過率を表すDk/L値は161と全2week中最高の値ですが、材質が硬く付け心地にやや難があるので、人気では他の製品に劣ります。
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- 2位 バイオフィニティ
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★★コスパ:★★★★☆
- シリコーンハイドロゲル
- 最高値に1届かず。しかし実際はあまり関係ない?
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シリコンレンズランキングでも紹介したクーパービジョンのレンズです。Dk/L値は160なので2weekメニコンプレミオに1だけ劣りますが、その他の要素(付け心地、乾きにくさなど)ではこちらの方が圧倒的に評判がいいですね。
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- 3位 アキュビューオアシス
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲルUVカット
- 2ウィークのアキュビューでは最高峰!
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こちらもバイオフィニティ同様、シリコンレンズランキングでも紹介した製品です。Dk/L値は147。上の2つと比べると少し下がりますが、それでも全2week中3位の非常に高い値です。
コストパフォーマンスランキング
コンタクトレンズを選ぶ際、やはり気になってくるのはコスト面ですよね。しかし、あまりに安いレンズを選び過ぎて、目に負担をかけてしまうのも考えものです。
そこで、この項目ではただコンタクトレンズの安さを重視するだけでなく、費用対効果、つまりコストパフォーマンスに重点を置いてレンズを選んでみました。値段とそれに対する性能のバランスで順を決めています。
ただ、コンタクトレンズの価格はネット通販で買うかリアル店舗で買うかで大きく変わりますし、リアル店舗同士で比べても価格差があります。ここではネット通販での価格を意識しながらランキングを作成してみました。
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- 1位 アキュビューオアシス
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲルUVカット
- 最高クラスの性能がわずか2,000円で!
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このページで紹介しているほぼ全てのランキングにランクインするのではないかという勢いのアキュビューオアシス。性能がいいだけでなく非常に安価な製品でもあり、ネット通販を利用すれば2,000円程度の価格で買うことができます。
中には2,000円を下回る価格で取り圧かっているショップもあるので、そのようなショップで買えばより高い費用対効果が期待できます。
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- 2位 バイオフィニティ
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★★コスパ:★★★★☆
- シリコーンハイドロゲル
- オアシスとほぼ同水準のコストパフォーマンス!
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アキュビューオアシスと共にほぼすべてのランキングにランクインする勢いのバイオフィニティ。ネット通販を利用すれば2,000円程度で買えるのはオアシスと同じです。(微妙にオアシスより高いです)
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- 3位 エアオプティクスアクア
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付け心地:★★★☆☆乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲル表面プラズマ加工
- 安さ的にはオアシスと同水準。コスパで見るとわずかに劣る?
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アキュビューオアシスと同様に、ネット通販を利用すれば2,000円を下回る価格で買うことができます。価格的には同水準ですが、価格と性能の関係からコストパフォーマンスを考えるとオアシスにはやや劣るかな、という印象ですね。
トータルランキング
最後にトータルでのランキングを発表してこの記事を締めくくります。
今回考慮するのは、付け心地、乾きにくさ、値段とのバランス、酸素透過性などコンタクトレンズの選定におけるおおよそ全ての要素です。
酸素透過性のことを考えるとどうしても非シリコンレンズがランクインしにくくなってしまいますが、眼科の人間が作ったランキングなのでその辺はご理解を。
このランキングのみ、5位までまとめてみます。
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- 1位 バイオフィニティ
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★★コスパ:★★★★☆
- シリコーンハイドロゲル
- 1位はやっぱりこのレンズ!
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記事中何度も名前が出てきていて、なおかつどの項目でも上位に君臨していたので何となく予想もついたかと思いますが、トータルランキング1位はやっぱりこのレンズです。
全2week中トップクラスの酸素透過率と、汚れや乾きへの高い耐性、それに加えて付け心地も良いとなれば、このレンズが1位に選ばれない理由はないでしょう。
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- 2位 アキュビューオアシス
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★★☆酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲルUVカット
- バイオフィニティとどちらを選ぶかはお好みで!
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やはり世界シェア1位のジョンソンエンドジョンソンが製造しているだけあって、アキュビューシリーズは強い人気があります。酸素透過性、乾きや汚れへの耐性ではバイオフィニティに劣りますが、UVカット機能があることや、2つのカーブが選べるといった点でバイオフィニティと差別化することができています。どちらのレンズを使うかは好み次第ですね。
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- 3位 エアオプティクスアクア
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付け心地:★★★☆☆乾きにくさ:★★★★★酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★☆
- シリコーンハイドロゲル表面プラズマ加工
- 性能は高いが硬さがネック?
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酸素透過性、乾きや汚れへの耐性、知名度や普及度など、各分野において高い水準を誇るレンズですが、やっぱり硬さが気になるところです。べつに「硬い=悪い」というわけではありませんが、このレンズより性能のいいレンズが上に二つあるので、せめて付け心地では勝っておきたかったというのが、この製品側に立った意見でしょうか。
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- 4位 メダリストフレッシュフィットコンフォートモイスト
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付け心地:★★★★☆乾きにくさ:★★★☆☆酸素透過性:★★★★☆コスパ:★★★★★
- シリコーンハイドロゲル
- 性能はいいのだけれど、あまり目立たない製品……。
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性能的には悪くないのですが、上の3つが優れているのでランクインできなかった2weekシリコンレンズです。酸素透過率を表すDk/L値は130。
ネット通販で買うとバイオフィニティやエアオプティクスとほぼ同程度の価格ですが、アイシティなどの販売店ではバイオフィニティよりも安く販売されています(それでもネットで買った方が安いのですが)。
エアオプティクスと同様に、硬い付け心地がやや気になる高酸素透過性レンズです。
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- 5位 2ウィークアキュビュー
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付け心地:★★★★★乾きにくさ:★★★☆☆酸素透過性:★★★☆☆コスパ:★★★★☆
- 非シリコンUVカット
- 唯一非シリコンをランクインさせるならやっぱりコレ!
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トータルランキングがシリコンレンズで埋まってしまいそうなので、非シリコンレンズも一つランクインさせてみました。非シリコンレンズを使う最大のメリットは、やっぱり優れた装用感が得られること。2ウィークアキュビューは、シリコンレンズが台頭した今でも付け心地を重視する多くのユーザーに人気がある製品です。
まとめ
当ページでは2weekのソフトコンタクトレンズをさまざまな観点からランキングしてきました。
このランキングは、私の眼科検査員としての経験や、患者さんの声、ネットでのレビューをもとに作ったものです。なるべく公平に評価したつもりですが、少なからず主観が入ってしまっている部分もあると思います。あくまで参考程度にご利用ください。
付け心地に関しては、やっぱり皆さんが実際に付けて、感じて、評価するのがいちばんだと思います。普段ネット通販で購入している方も、定期的に眼科へ足を運ぶようにしてみてくださいね。
他のコンタクトレンズを併用している方へ
当サイトでは「おすすめコンタクトレンズランキング-1day編-」というものも用意しています。2weekと1dayを併用している方、もしくは1dayに興味がある方は、そちらの記事もご覧下さい。
乱視用はこちら。