クーパービジョンってどこの国の会社? 品質や評判はどうなの?

(画像の出典:CooperVision Live Brightly

プロクリアワンデー、バイオフィニティなど、日本でも人気の高い製品を生産しているメーカー、クーパービジョン。

メーカーとしての歴史も長く、製品も非常に優れているのですが、国内における知名度はあまり高くありません。

私もよく患者さんから「クーパービジョンってどこのメーカーなんですか?」「品質はどうなんですか?」なんて聞かれます。私も眼科で働き始める前まではクーパービジョンという社名を聞いたことがなかったので、そう聞きたくなる気持ちもわかります。

いくらコンタクトレンズ販売店のスタッフや、眼科の検査員に勧められても、それが知らないメーカーの製品だったら、買う前に怪しんでしまいますよね。この記事を読んでいる人の中にも、現在進行形で怪しんでいる人が結構いるかもしれません。

ただ、コンタクトレンズに10年携わっている身から言わせていただくと、クーパービジョンはとても良質なメーカーです。一度も試したことがないのはもったない、というと大げさかもしれませんが、個人的にはそう思っています。

今回は、コンタクトレンズ検査員でありクーパービジョン製品のユーザーである管理人が、クーパービジョンというメーカーや、その製品について解説し、見解を述べてみたいと思います。

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クーパービジョンってどこの会社?

クーパービジョンはアメリカの会社で、カリフォルニア州のレイクフォレストに本社を構えています。

世界22カ国33都市に拠点を持ち、イギリス、プエルトリコを始めとする7箇所に生産工場があります。コンタクトレンズのメーカーとしては世界シェア第3位の大企業です。日本ではまだ知名度が低いですが、世界的には有名な企業です。

製品の質はどうなの? 評判は?

さすが大手メーカーというだけあって質はとても良いです。

中でも装用感の良さと乾きにくさに関しては、クーパービジョンはピカイチ。今のところ、これらの点でクーパービジョンの右に出るメーカーはありません。

クーパービジョンを代表する1day「プロクリアワンデー」は、装用感の良さと乾きにくさが両立させられた製品で、バイオミメティックテクノロジー(整体模倣素材)を用いた世界初のコンタクトレンズとして注目を浴びました。販売店シェアNo.1のアイシティが推奨していることもあってか、日本でも利用者の多い製品です。

同じくクーパービジョンを代表2week「バイオフィニティ」は、プロクリアワンデーと同じ装用感の良さと乾きにくさだけでなく、2weekではトップクラスの酸素透過性を誇っています。

普通、酸素透過製を高めるためにシリコン素材を用いると、レンズの質感がどうしても硬めになってしまうんですが、バイオフィニティはそんなシリコンレンズの常識を覆す、高い酸素透過製と柔らかさを兼ね備えたコンタクトレンズです。過去にシリコンレンズの装用感にうまくなじめなかった人でも、バイオフィニティだったら大丈夫、ということもよくあります。

上記したレンズ以外にも、UVカット機能を備えたシリコン素材の1day「マイデー」や、遠近両用1dayの中では最も見え方の評判がいい「プロクリアワンデーマルチフォーカル」など、高水準の製品をたくさん揃えています。

個人的印象では、とても高い技術力を持ったメーカー、といったところでしょうか。

患者さんからの評判もいいですね。

他メーカーと比べてどう?

すぐ上にも書いた通り、クーパービジョンの製品の質は、クーパービジョンよりも上位のメーカーと比べても劣らないレベルです。ちなみに世界シェア上位2メーカーはどこかというと、

1位:ジョンソンエンドジョンソン
2位:アルコン(旧チバビジョン)

となっています。

参考までに、上位3者の製品の特徴をそれぞれ挙げてみたいと思います。もちろん、同じメーカーのものでも、製品によって細かな違いはあるので、だいたいのイメージとして捉えてください。鵜呑みにしすぎないように。

ジョンソンエンドジョンソン

  • 知名度が圧倒的
  • 付け心地が良い
  • 乾きにはやや弱い
  • すべてのレンズにUVカット搭載
  • 多くのレンズに2種類ずつカーブを用意
  • 値段はやや高め
ジョンソンエンドジョンソンといえば、コンタクトレンズ以外にもヘルスケア製品などで有名ですね。ソフトコンタクトレンズが世の中にまだあまり認知されていなかった頃、1番に目をつけたのもこのメーカーでした。そういった意味でも、3社の中でも圧倒的知名度を誇ります。

アルコン(チバビジョン)

  • 乾きにやや強い
  • はずしづらかったり、硬かったりする製品もある
  • 全1day中もっとも酸素透過性が高い「デイリーズトータルワン」がある
  • 値段は標準的

個人的印象では、製品の質はいいが使用感の上でちょっと、といういメーカー。とはいえ世界シェア第2位に食い込むような大手なので、下位のメーカーに比べれば充分に安定していると言えます。

ジョンソンエンドジョンソンやクーパービジョンに比べ、全体的に製品が安価なのも特徴の1つ。特に代表的な1day「デイリーズアクア」は最安値クラスの1dayです。全1day中もっとも高い酸素透過性を誇る「デイリーズトータルワン」も、眼の健康を気にする方や医療機関から、高い注目を集めています。

クーパービジョン

  • 付け心地が良い
  • 全体的に乾きに強い
  • 値段はやや高め
  • 代表製品「プロクリアワンデー」は、米国ではドライアイ患者に推奨されている
  • 大手メーカーの2weekでは最も酸素透過製が高い「バイオフィニティ」がある
全体的に、付け心地がよく、乾きに強い製品が多いメーカーですね。販売店最大手のアイシティが積極的に販売しているだけあって、国内のプロクリアワンデーとバイオフィニティの利用者はかなり多いです。
クーパービジョンの魅力は、シリコン素材を使ったレンズはどうしても硬くなってしまうのがネックですが、クーパービジョンのシリコンレンズは柔らかいものが多いです。代表的な2weekのバイオフィニティと、新製品の1day、マイデーがその良い例です。
マイデーはまだ日本未発売のレンズですが、海外から直接製品を輸入している輸入代行ショップを利用すれば、日本にいる方でも最新のクーパービジョン1dayを利用することができます。以下のページで紹介しているので、興味がある方は参考にしてみてください。

ちなみに日本国内だと、クーパービジョンのシェア率は第2位です。国内の販売店で客数1位のアイシティや、眼科が推奨していることもあり、2011年にアルコンを追い抜いて2位になりました。

クーパービジョンはコンタクトレンズ以外作ってないの?

もちろんコンタクトレンズ以外のものも作っています。クーパービジョンは「クーパー・カンパニーズ」という会社の一部門です。これはジョンソンエンドジョンソンやチバビジョンと同じですね。

ただ、ジョンソンエンドジョンソンやチバビジョンの場合、コンタクトレンズは数ある部門のうちの一部門に過ぎません。一方クーパービジョンは二つしかない部門のうちの一つです(ちなみにもう一つは産婦人科向けの医療機器を開発するクーパー・サジカル)。

もしかするとクーパービジョン社製品の質がいいのは、会社全体の部門数が少なく、より多くの人やお金をコンタクトレンズに当てられるからなのかもしれません。

会社全体でコンタクトレンズと産婦人科向けの医療機器しか作っていないのなら、より多くの人やお金をコンタクトレンズに割くことができるわけですからね。

まとめとして

当記事ではクーパービジョンについていろいろと書いてみました。

クーパービジョンについてはそれなりに知っているつもりでしたが、こうやっていざ調べてみると知らないこともたくさんあるんですね。当記事の執筆は、自分の知識増強のためにも良い経験となりました。

なんだか全体的にクーパービジョン製品を推す形になってしまいましたが、まだ使ったことがないというのであれば、是非オススメしたいところですね。

クーパービジョン製品の弱点としては、ジョンソンエンドジョンソン同様に価格がちょっと高めなことが挙げられます。

その点はネット通販を利用することで解消できますが、クーパービジョンはネット通販に対する規制が厳しく、一部ショップでは購入することができません。

クーパービジョン製品をネット通販で買う場合は、以下の記事が参考になると思います。ぜひ目を通してみてください。

クーパービジョンのコンタクトレンズをネット通販で買うにはどうすればいいの?

ちなみに、私が使っているコンタクトレンズはクーパービジョンの1day「マイデー」です。上でも何度か名前が出てきましたね。マイデーはクーパービジョンが出した初めての1dayシリコンレンズです。

プロクリアワンデーの乾きにくさ、付け心地をそのままに、素材をシリコンにしたことで酸素透過性をかなり高くしたものなので、体感的にも健康的にも良いレンズだと言えます。ちゃっかりUVカットも入ってますしね。

アイシティなどの一般販売店では買えませんが、一部ネット通販ショップでは買うことができます。よかったら以下のリンクから飛べるページを参考にしてみてください。

クーパー初のシリコン1day「マイデー」の詳細ページ