酸素をよく通し、目にかかる負担が少ないことで注目されているシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ。最近は開発が進み、種類もとても豊富になってきました。
この記事では、現在市場に出回っているシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを一覧し、簡単な比較を行っています。これから新しいシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを試そうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
表の見方
シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズだけでも結構な数になるので、1day、2week、1monthと分けて一覧してみました。
それぞれ酸素透過率の高い順に並べていますが、表の一番上に名前があるから一番良いというわけではありません。酸素透過率の高さはあくまで製品の良さを図る一要因でしかありません。レンズ選びの際に重視すべき点は酸素透過率の他にもたくさんあります(付け心地、乾きにくさなど)。数値の高さ=性能の良さと考えてしまうのは安直かもしれません。
レンズ名のリンクからは、各製品の詳細ページに飛ぶことができます。詳細ページでは細かなデータや評判のまとめ、ネット通販で購入する際の価格比較などを行っています。
シリコーンハイドロゲル素材の1day一覧
レンズ名 | レンズタイプ | 酸素透過率 (Dk/L) |
デイリーズトータルワン | 1day | 156 |
ワンデーアキュビューオアシス | 1day | 121 |
ワンデーアキュビュートゥルーアイ | 1day | 118 |
マイデー | 1day | 100 |
シリコーンハイドロゲル素材の1dayは世界に4種類しかありません。
酸素透過率の値だけ見るとデイリーズトータルワンがずば抜けていますが、上でも書いた通りレンズの良さは酸素透過率でのみ図れるものではありません。たとえばデイリーズトータルワンは1dayの4製品のなかで唯一カットが入っておらず、価格的にもやや高めです。
このように、何に重点を置くかでどの製品が一番いいかはいくらでも変わってきます。特にシリコーンハイドロゲル素材の1dayはどれも性能がいいので、商品選択の際は迷うこと必至です。
この製品がおすすめ!
とはいえ、やっぱりおすすめなのは圧倒的酸素透過率を誇るデイリーズトータルワン。何年もコンタクトレンズに携わってきた身から言わせてもらうと、1dayでこの酸素透過率はめちゃくちゃすごいです!
表面がツルツルしている、価格が高いなどの弱点はありますが、乾きにもすごく強いのでそれら弱点をもって有り余るほどの性能があります。試していない方はぜひ一度試してみるといいでしょう。価格の問題はネット通販を使えば解消できます。
気になる方は以下のリンクから。
2weekのシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ一覧
レンズ名 | レンズタイプ | 酸素透過率 (Dk/L) |
2weekメニコンプレミオ | 2week | 161 |
バイオフィニティ | 2week | 160 |
ロートモイストアイ(※) | 2week | 160 |
ワンデーアキュビューオアシス | 2week | 147 |
エアオプティクスアクア | 2week | 138 |
フレッシュフィットコンフォートモイスト | 2week | 130 |
アキュビューオアシス乱視用 | 2week | 129 |
バイオフィニティトーリック | 2week | 116 |
エアオプティクス乱視用 | 2week | 108 |
フレッシュフィットコンフォートモイスト乱視用 | 2week | 91 |
アキュビューアドバンス | 2week | 85.7 |
※ロートモイストアイはバイオフィニティと全く同じ製品です。
2weekは、1dayと比べると全体的に酸素透過率が高めですね。コンタクトレンズは汚れが蓄積してくると酸素透過率が下がってしまうので、それを加味してあらかじめ高い数値が設定されていると見ることができます。
製品にもよりますが、長い目で見ると毎日新しいものに変えられる1dayの方が眼への酸素供給量は多いかもしれませんね。
ただ、2weekは1dayに比べると格段に価格が低いので、コストを重視したい方にとって2weekの存在はありがたいものだと思います。
また、3種類のレンズタイプの中でシリコーンハイドロゲル素材の乱視用コンタクトレンズがあるのは2weekだけです。シリコーンハイドロゲル素材の乱視用コンタクトレンズがほしい方は、必然的に2weekを使うことになりますね。
この製品がおすすめ!
シリコーンハイドロゲル素材を使った2weekで管理人がおすすめしているのは何といってもバイオフィニティ。高酸素透過率・乾きにくさ・付け心地の良さのどれをとってもトップクラスの非常に優れた製品です。
乱視用は酸素透過率的にアキュビューオアシス乱視用でしょうか。矯正力の高さという意味では、エアオプティクス乱視用も捨てがたいですね。これら2製品は乱視用でない通常タイプも性能がいいので、バイオフィニティが合わなかった場合に試してみるといいかもしれません。
1monthのシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ一覧
レンズ名 | レンズタイプ | 酸素透過率 (Dk/L) |
エアリーワンマンス | 1month | 184 |
エアオプティクスEXアクア | 1month | 175 |
3種類しかない1dayよりもさらに種類が少ない1month。酸素透過率の高さは圧倒的ですが、汚れの蓄積と共に酸素透過率が下がるというのは上でも書いた通りです。1monthの場合、使う期間が長いので、2weekより徹底した洗浄を行う必要があります。
また、これら2つの製品は、どちらも付け心地が硬めです。というのも、シリコーンハイドロゲル素材は、酸素をよく通すシリコン素材と付け心地のいいハイドロゲル素材を混ぜ合わせて作られるので、これだけの酸素透過率を出すためにはシリコンの割合をかなり高めにしなければならず、どうしても硬めになってしまうのです。
この製品がおすすめ!
これら2つの製品からどちらか一つを選ぶとしたら、僅差で私はエアリーワンマンスをおすすめします。理由としては、酸素透過率が高いことと、UVカットが備わっていることと、エアオプティクスEXアクアよりは高いことが挙がります。性能だけで見ればエアリーワンマンスは全ソフトコンタクトレンズの中でもトップクラスの製品です。
ただ、硬さもトップクラスの製品なので、付け心地をとても重視したいという方にはあまりおすすめできないかもしれません。
私の働いている眼科でもエアリーワンマンスの取り扱いはありますが、患者さんが1dayタイプ以外のシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを求めてきた場合、私は2weekのバイオフィニティやアキュビューオアシスなどをおすすめしています(結果的にその方が満足度も高いので)。
価格も1monthと2weekではそんなに大きく変わらないので、1monthを使いたいよほどの理由があるのでなければ、2weekを優先して選んでいった方が選択肢も多く良いのではないのかと思います。あくまで私見ですが。
それでもなお、エアリーワンマンスのことが知りたいという方は以下のリンクを参考にしてみてください。
まとめ
今回はシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズについてまとめてきました。
比較と言うほどの比較はできていませんが、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを選ぶ際の一つの指標になるのではないかと思います。ぜひお気に入りにでも入れて置いて、コンタクトレンズを選ぶ際などに活用してみてください。
ちなみに、「全てのレンズタイプの酸素透過率を一気に並べたものが見たい」もしくは「シリコーンハイドロゲル素材以外のコンタクトレンズの酸素透過率も知りたい」という方は、この記事より以下の記事の方が役に立つと思います。
参考にしてみてください。
私たちが生きるために酸素を必要とするように、眼も健康な活動を続けるために酸素を必要としています。コンタクトレンズユーザーにとって、レンズの酸素透過率はとても大切な要素。酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズを使うことは皆さんの大事な眼を守ることにもつながります。
ぜひいろいろな製品を使って、自分に一番しっくりくる製品を探してみましょう。