メニコンが見せた「魔法」
しかしその効力は…。
※このページでは、メニコンから出ている1day「マジック」についての詳細やネット通販の価格比較などを行なっています。
マジックとは?
日本のコンタクトレンズメーカー「メニコン」が製造・販売を行なっている1dayです。今までの常識を覆す驚異的な薄さのブリスターケースと、その奇抜なデザイン特徴的なレンズすね。名前のマジック(魔法)も、その特殊な包装方法からきています。
マジックの場合、ブリスターケースはその薄さからシートと呼ばれています。下の画像で放射状に並んでいるのがそれですね。1枚のシートに3枚ずつレンズが入っています。
各シートによってデザインが変わるのがオシャレですね。
モノクロの模様がクールです。
ちなみに、画像の真ん中にあるのが持ち歩くためのケース。
既存のコンタクトレンズの箱に比べかなりコンパクトなので、鞄の中でがさばりません。一度に多くのレンズを持ち歩くことができます。旅行にも向いていますね。
マジックの詳細データ
メーカー | メニコン |
タイプ | 1day |
度数範囲(D) | -0.25 ~ -6.00(0.25step) -6.50 ~ -10.00(0.50step) |
素材 | HEMA( ヒドロキシエチルメタクリレート) GMA(グリセロールメタクリレート) |
枚数 | 30枚 |
含水率 | 38.5% |
酸素透過係数(Dk) | – |
酸素透過値(Dk/L) | 19 |
レンズ中心厚(mm) | 0.10 |
ベースカーブ(mm) | 8.60 |
レンズ直径(mm) | 14.2 |
UVカット | 無し |
こうして見てみると、性能的には標準クラスですね。
酸素透過値が低いように思えますが、非シリコンの1dayですからね。だいたいこんなのでしょう。
あと、チェックしておきたいのはレンズの厚みですね。
ブリスターケースは見ての通り極薄ですが、レンズ自体の厚みは標準的か、むしろちょっと厚いくらいです。
マジックの参考動画
このレンズがどんなものかを知るには、CMを見てもらうのが一番でしょう。
15秒程度の短いCMです。
これだとちょっと不明瞭なので補足を。
Magicは、シートの中にある間はフラット(平ら)な状態になっています。
要するに潰れた状態で入ってるってことですね。
シートが開封されると、レンズが圧力から解放されて自然な形状に戻ります。
この時レンズは、眼に触れる面が下になっています。他のソフトコンタクトレンズと逆ですね。
普通のレンズは、眼に触れる面が上を向いた状態でブリスターケースに入っています。そのため、装用する際には指の上でレンズを裏返さなければいけません。
しかし、Magicの場合その手間は不要です。裏表を確認する必要もありませんし、レンズの内側に一切触れずに装用することができます。
まさに画期的なレンズですね。
マジックの評判
以上の説明と動画で、マジックがどのようなコンタクトレンズであるか何となく伝わったかと思います。
見ての通り斬新なパッケージデザインと、そのパッケージがもたらす高い機能性。酸素透過性など性能的な部分を考えなければ間違えなく完璧なレンズなのですが、実は乾きに弱かったり、硬かったりと、付け心地の評判があまりよくなかったりします。
今までメニコンの1dayと言えば「メニコンワンデー」のみでしたが、メニコンワンデーはクーパービジョンのOEM製品(クーパービジョンが製造し、メニコンのブランドで販売している製品)なので、正確な意味でのメニコン製品ではありませんでした。
メニコンはコンタクトレンズメーカーとしては歴史が長く、ハードやソフトコンベンショナル(使い捨てではない長期タイプのソフト)ではレンズの質に定評があるのですが、使い捨てのソフトに関してはいまいちで、ジョンソンエンドジョンソンやクーパービジョンなどの海外メーカーの陰に完全に隠れてしまっているような状態でした。
つまりこのレンズはつまりこのMagicというレンズは、メニコンとってある意味で勝負のレンズだったわけです。歴史あるレンズメーカーとしての意地や誇りをかけた一世一代の勝負……などという言い方をしてしまうとちょっと大袈裟ですが。
勝負の結果としては……あまり芳しくなかったようです。つけ心地がよくないのもそうですが、それ以前に、今の若い人たちはメニコンというメーカーの名前を知りませんからね。小規模な市場が展開されただけで、コンタクトレンズ業界にマジックをかけることはできなかったようです。
ちなみに、私がこのレンズをつけた感じでは、言われているほどのつけ心地の悪さは感じませんでした。
もちろん、クーパービジョンの「プロクリアワンデー」、ジョンソンエンドジョンソンの「アキュビューシリーズ」など装用感に定評のあるレンズと比べてしまうとたしかに劣る気もしますが、ただ、この辺は本当に個人差が出てくる部分ですからね。逆にプロクリアワンデーやアキュビューの方が嫌だ、という人もいるでしょう。
もし興味があるなら、実際お店などでつけてみて、自分でつけ心地の善し悪しを確認してみるのが一番ですね。
マジックに対する個人的な評価
あくまで個人的な評価です。
今回は装用感・レンズ性能・取扱いやすさ・デザイン性などの点からレンズを評価してみました。
装用感
装用感については上述した通りです。ものすごくいい、というようなものではありません。
レンズ性能
性能についても、あまり期待しない方がいいですね。非シリコン素材のレンズなので、正直、酸素透過性なんてあってないようなものです。長時間付けていれば目に負担がかかります。
純粋にレンズ性能を重視するのであればジョンソンエンドジョンソンの「トゥルーアイ」やクーパービジョンの「マイデー」、後述する「デイリーズトータル1」などのシリコンレンズ使った方がいいでしょう。
取り扱いやすさ
取り扱いやすさに関してはピカイチですね。マジック最大のセールスポイントです。専用ケースによる持ち運びのしやすさ、開封から装着までのスムーズさについては、さすが魔法と謳っているだけあって、他のレンズを凌駕しています。性能的な部分に目を瞑ってでも使う価値は充分にあるんじゃないでしょうか。
指先での細かい作業が苦手な人や、面倒くさがり屋の人、遠出が多い人にはオススメですね。
デザイン性
デザイン性もとてもいいと思います。もちろん個人の感覚によるでしょうが、人前でケースからシートをサッと取り出し、レンズスムースに装用すれば、瞬間的に話題の中心人物になることができるのではないでしょうか。
総評
間違いなく人を選ぶコンタクトレンズですが、合う人にはかなり合うんじゃないかと思います。私は好きですね、このレンズ。
マジックのネット通販価格比較
マジックはAmazonで買うことができます。
1箱あたりの値段は2,700円で買うことができます。あまり安いとは言えませんね。
性能面でのマジック?
マジックの名前の由来は、前述した通りその「特殊なパッケージ」であって性能ではありません。マジックが包装やデザインなどから「マジック」を謳うのであれば、性能面での「マジック」は間違いなくこのレンズでしょう。
名前は、デイリーズトータル1。非常に優れた性能を持つレンズです。
酸素透過率を表すDk/L値はなんと156。すべての1dayの中で最も高い値で、マジックのおよそ7倍です。
性能に関してで言えば、現在市場に出回っているレンズの中では最も優れていると言っても過言ではないでしょう。
デイリーズトータル1のレンズ設計は、マジックの包装に負けず劣らずの画期的です。まあ、マジックとまったく関係ないと言ってしまえばそれまでなのですが、よかったら、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。