コンタクトレンズの花粉症対策

スギ花粉

花粉の対策をするならコンタクトレンズをより眼鏡の方がいいのですが、見た目やお仕事などの都合上、花粉シーズンでもなるべくコンタクトレンズを付けていたいという人は多いと思います。

そこでこの記事では、コンタクトレンズをした上での花粉対策法を紹介していきたいと思います。今のうちからできるだけコンタクトレンズと花粉に関する知識を見につけ、シーズンに向けしっかりと備えておきましょう。

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花粉症とは?

そもそも花粉症とは何なのでしょうか。ちょっとWikipediaで調べてみました。

花粉症とは、Ⅰ型アレルギー(いちがたアレルギー)に分類される疾患の一つ。植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な一連の症候群のことである。枯草熱(こそうねつ)とも言われる。

「Ⅰ型アレルギー」や「枯草熱」という言葉はあまり馴染みが有りませんが、それ以外は誰もが見知った情報ですね。

コンタクトレンズと花粉症

はっきり言って、花粉症とコンタクトレンズは非常に相性が悪いです。先にも書いた通り、花粉症対策には眼鏡の方が向いています。

具体的にどう相性が悪いのか?

思いつく限り、その理由を列挙してみました。

花粉はコンタクトレンズを汚れやすくする

コンタクトレンズが汚れるになる主な原因は、涙の中に含まれる分泌物です。花粉症などアレルギー症状が怒れると涙中の分泌物の量が増えるので、レンズが汚れやすくなります。

レンズの汚れると、曇り、乾燥、ずれ、ゴロゴロ感などといった症状に繋がります。

コンタクトレンズを付けていると目の中に花粉が停滞しやすくなる

コンタクトレンズを付けていると、裸眼の時よりも涙による目の洗浄効果が低下するので、アレルギーの元となる花粉が目の中に停滞しやすくなります。

特にソフトコンタクトレンズは相性が悪い

水分を多く含んでいるソフトコンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズに比べ花粉が吸着しやすく、停滞しやすいので、症状の悪化に繋がります。

ただ、ハードはハードで、花粉によりレンズが汚れる付け心地の悪さがまともに出てきたり、1日で捨てられる1dayの方が花粉対策になったりするので、一概にどちらがいいとも言えません。

コンタクトレンズがさらなるトラブルを生み出すことも

花粉症になると、目がかゆくて掻いてしまったり、必要以上に目薬をさしたりと、平常時にくらべどうしても目のトラブルが起きやすくなります。

その上コンタクトレンズをしていると、目の渇きやレンズの汚れなどの要因がプラスされるので、さらにトラブルが起きやすい状態になっていまいます。

今からできるコンタクトレンズの花粉症対策

さて、いよいよ本題です。花粉症持ちのコンタクトレンズユーザーは、花粉症シーズンをどう切り抜けていけばいいのか。これも思いつく限り対策案を書いていこうと思うので、是非参考にしてみてください。

花粉対策案その1「花粉症シーズンだけ1day」

これは最もメジャーかつ有効な対策法かもしれません。1dayのレンズは、その日のうちにレンズが溜め込んだ花粉をレンズごと捨てられるので、清潔な状態で次の日をスタートすることができます。

2weekや1monthはケアをしますが、やはりどれだけ丁寧に洗っても微細な花粉を完全に落としきることはできません。残留した花粉はつけ心地のゴロゴロ感や不快感の原因になるので、花粉対策には1dayの方が圧倒的に有利になります。

ジョンソンエンドジョンソンが行なった調査によれば、コンタクトレンズユーザーの約3割(33.4%)が「花粉シーズンのみ1dayに替えたことがある」と回答したそうです。

私が働いている眼科にも、いつもは2weekや1monthなどを使っていて、花粉シーズンのみ1dayに切り替えるといった使い方をしている患者さんが多くいらっしゃいます。

1dayは繰り返し使うタイプのレンズに比べどうしても値が張りますが、花粉の不快感を少しでも低減したいなら、思い切ってシーズン中のみ1dayに切り替えてみるのも一つの手です。お金に余裕があるなら是非実践しましょう。

花粉対策案その2「MPSから過酸化水素水へ」

これは予算的にどうしても1dayが難しいという向けの対策法です。項目タイトルにある「MPS」「過酸化水素水」というのはソフトコンタクトレンズのケア用品の分類名です。「こすり洗いタイプ」「付け置きタイプ」と言った方がわかりやすいですかね。MPSがこすり洗いタイプ、過酸化水素水が付け置きタイプになります。

こちらがMPS(マルチ・パーパス・ソリューション)のこすり洗い用洗浄液。
他にもたくさんの種類があります。


出典:にしわき眼科クリニック、院長日記。

過酸化水素水タイプはこちら。
メジャーなのはこの2種類ですね。

みなさんが使っている洗浄液は、MPSと過酸化水素水のどちらでしょうか?

この2種類の洗浄液のうち、花粉症対策に向いているのは過酸化水素水タイプの方だと言われています。というのもMPSの洗浄液は、こすり洗いをする際にレンズに付着した花粉をすりつぶしてしまい、拡散させる可能性があるからです。

過酸化水素水タイプはこすり洗いを必要としないのでそのような心配はありませんが、より効果的に花粉を対策するなら、専用のすすぎ液を使っていきましょう。「コンセプトワンステップ」も「エーオーセプトクリアケア」もそれぞれ専用の「すすぎ液」というものがあります。

レンズをケースにセットする際は、すすぎ液で軽くすすいでからにしましょう。この時、液でレンズをこする必要はありません。レンズに付着した花粉が落とせればいいので、レンズを掌にのせて液をかけるだけでOKです。ソフトレンズと水道水は相性が悪いので、すすぎ液がないからといって水道水で洗うのはNGです。絶対にしないようにしましょう。

ケースの方も毎日洗浄しましょう。こちらは水道水で大丈夫です。消毒洗浄中にレンズから落ちた花粉がケース内に残留している可能性があるので、出来る限りそれを洗い落としましょう。

花粉対策案その3「時間短縮」

裸眼よりもコンタクトレンズを装用時の方が花粉を眼の中に停滞させやすいというのは、上記した通りです。花粉症の人にとって、花粉が長く体の中に(とくに眼というデリケートな器官の中に)存在しているのは望ましくないこと。

人の眼は濡れている分、ちょっと外に出ただけで多くの花粉を取り込んでしまいます。出先から家に帰ってきて、もう今日は外出しない、ということが決まった場合には、すぐにレンズを外して眼鏡に切り替えた方がいいでしょう。

花粉症対策案その4「眼科に行く」

花粉症の症状が出たら、対策うんぬんを考える前にまず眼科に行きましょう。花粉症対策は、1にも2にもまず眼科で診察を受け、適切な目薬などを処方してもらうことから始まります。

また、耳鼻科などで花粉症対策の薬をしてもらったり、注射を打ってもらったりするのものも1つの手です。私も重度の花粉症患者で毎年シーズンになると花粉症に免疫を付けるための注射をしてもらうのですが、これがなかなか効果があるんです。

花粉症の症状は眼のかゆみだけでなく鼻水やくしゃみ、目ヤニなどもありますが、注射を打っておくと、これらがかなり抑えられます。

ソフトコンタクトレンズと花粉症の目薬

花粉症の目薬を使う場合は、できるだけレンズを付けていない時に点眼するようにしましょう。花粉症の目薬の中には、レンズと相性があまりよくない薬品が入っています。1dayのレンズならその日の最後に捨ててしまうのであまり関係ありませんが、それ以外のレンズの場合、薬品がレンズの劣化に大きく影響してくるので、レンズを付けた上に直接点眼するのはやめましょう。

裸眼の状態で点眼すれば、涙と混ざり合うことによって目薬の濃度が下がります。ここでコンタクトレンズを装着するまでに少し時間を設けられればベターですね。

また、レンズと目薬の相性以前に、単純にレンズが目を覆った状態では目薬が効きにくいので、やっぱり裸眼での点眼がおすすめですね。

花粉症対策まとめ

コンタクトレンズのユーザーであり重度の花粉症持ちである管理人が、出来る限り花粉とコンタクトレンズに関する情報・対策法をまとめてみました。お役に立てたでしょうか。

これからも有効だと思える情報・対策法があったら随時記事中に付け足していくつもりです。花粉症の辛さを知る人間として、ここに書いた情報が皆さんの花粉症を低減することに少しでも繋がってくれればと思います。

花粉症は早い段階からの対策が重要です。点眼はシーズンの1、2週間くらい前から始めるのが効果的だと言われています。耳鼻科での花粉症注射、おすすめですよ。ぜひいろんな対策法を組み合わせて、うっとうしい花粉症を徹底的に対策していきましょう。

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