i.Q.14アスフェリックの通販価格比較・詳細データ

iq14アスフェリック

「どのレンズも合わない」を解消するロートの2week。

このページでは、ロートから販売されている2week、「i.Q.14アスフェリック」についての性能・特徴・評判のまとめや、ネット通販の価格比較などを行なっています。

i.Q.14アスフェリックのデータ

枚数 6枚
含水率 55%
DK値 19.6
Dk/L値 21.8
CT 0.09mm(S-3.00)
BC 8.70mm
SIZE 14.4mm

i.Q.14アスフェリックに対する私的イメージ

非常につけ心地の良いレンズです。

いろんなコンタクトレンズを試したけどどれも合わなかったという患者さんが、最終的に落ち着くことが多い製品ですね。昔からある製品ですが、長く販売されてきただけあってユーザーからの信頼も厚いです。とにかく装用感がいいので、検査員の中でも評価は高いですね。

i.Q.14アスフェリックのつけ心地が良い理由は、「従来性素材であること」と「含水率が高いこと」にあります。最近のレンズは、ほとんどがシリコーンハイドロゲルという素材で作られています。

シリコーンハイドロゲルは、従来素材に比べて酸素をとてもよく通す優れた素材なのですが、従来素材に比べるとやや固めという小さな難点を持っています。両者の差はほとんど微細なものなのですが、患者さんの中には目がとても敏感な方もいて、その固さが気になってしまう場合もあるんですね。そんな方にこのi.Q14アスフェリックを勧めると、「これなら大丈夫」とすぐに問題が解決する場合が多いです。

コンタクトレンズの含水率というのはそのまま「レンズがどれだけ水分を含んでいるか」という値になので、この値が高いほどしっとりした感じがあり、つけ心地がよくなります。

しかし、含水率は高ければ高いほどいいかとそういうわけでもありません。高含水のコンタクトレンズは、低含水のコンタクトレンズに比べ、基本的に乾きや汚れに弱くなります。これについては矛盾を感じる方もいるかもしれませんが、書き出すと長くなるのでここでは割愛します。

含水率の詳細が気になる方は、以下の記事を参考にしてみてください。

ソフトコンタクトレンズにおける「含水率」とは?

他のレンズとの比較

他の2weekと比べてしまうと、おせじにも性能のいいレンズだとは言えません。上述したように、今はシリコーンハイドロゲルを使った酸素透過性の良いレンズが主流ですからね。具体的には以下のような差があります(全て2weekレンズとの比較です)。

バイオフィニティ   Dk/L値160
アキュビューオアシス Dk/L値147
エアオプティクス   Dk/L値110
メダリストプラス   Dk/L値27.1
i.Q.84アスフェリック  Dk/L値21.8

※Dk/L値とは、そのレンズにおける酸素透過性の評価値です。高ければ高いほど酸素をよく通します。また、上記した5つのレンズのうち上2つはシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズ、下2つのレンズは従来性素材のコンタクトレンズです。

上の比較を見れば、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズが従来性のコンタクトレンズに比べていかによく酸素を通すかがわかりますね。

つけ心地とレンズ性能、どっちを優先すべき?

私が上で酸素透過性の比較をしたことによって、いささか混乱してしまった方もいるのではないかと思います。「結局つけ心地が良くたって性能悪いんじゃ駄目じゃん」なんて、思うかもしれません。それは最もなことです。

もちろん、レンズ性能は高いに越したことはありません。そちらの方が、目への負担は軽くなりますしね。しかし、性能が高いレンズというのは、必然的に低含水でシリコーンハイドロゲルを素材に使っているコンタクトレンズになります。汚れにくく乾きにくい、そして酸素透過性が高いというのが、一般的に言われる高性能なコンタクトレンズの特徴ですからね。

しかし、上述したように、低含水レンズは高含水レンズよりも異物感を感じる可能性がが高くなります。そしてシリコーンハイドロゲルもまた、やや固めな素材なので、異物感を感じる可能性があります。つまり高性能なレンズは、

低含水(異物感の原因になる可能性あり)×シリコーンハイドロゲル(異物感の原因になる可能性あり)

なのです。1monthの「エアリーワンマンス」や2weekの「エアオプティクス」などは性能的に見ても非常に優れたレンズですが、「異物感があるから嫌だ」という方も結構いますね。

眼科の人間としては、やはり性能の高いコンタクトレンズを使ってもらいたいところですが、だからといってつけ心地の悪さを我慢する必要はないと思います。

というのも、いくら性能がいいからといってレンズを付けられないようではそもそも話が始まりませんし、正直コンタクトレンズの性能差なんて正直あってないようなものです。一日のコンタクトレンズの装用時間を短縮したり、コンタクトレンズを付けない日を週に何日か作ってあげることで、性能差による目への負担の差なんていくらでもカバーできますからね。

性能、コスト、つけ心地、ブランド、それらを全て考慮した上で、いちばん自分に合ったレンズを使う。

誰が何と言おうと、これがいちばんであることに変わりはありません。
眼科検査員がこんなことを言ったら終わりかもしれませんが、一つ自分の気に入ったレンズがあるなら、含水率がどうだとか酸素透過性がどうだとか深いことは考えないで、それでそれを使っておけばいいんですよ。

もう一つあった!IQ14アスフェリックの推しポイント

あやうく言い忘れるところでした。IQ14アスフェリックの推しポイント。実はこのレンズ、ちゃっかり非球面設計なんです。非球面設計って何ぞ?って思う方もいるかもしれませんが、まあ簡単に言ってしまうと、普通のレンズよりも若干視力が出やすいんです。下の画像をご覧下さい(画像はロートの公式サイトからお借りしました)。

上の画像は、「球面設計」のレンズを光が通った際にどのように焦点が結ばれるかを模式的に表した図です。中学校の理科で最初の方に習った、光の屈折の実験を思い出しますね。これを見ると、レンズの外(図で言うとレンズの左側)からやってきた光がレンズ中で屈折を起こしていることがわかります。しかし、球面設計のレンズでは、レンズの内側(図で言うとレンズの右側)に上手く焦点を結ぶことができません。そのせいで、物の見え方(図の中では焦点面のイメージ)は何となく全体的にぼやけてしまっています。これが従来の、球面設計レンズの見え方の特徴でした。しかし…

こちらは「非球面設計」のレンズを通った光の焦点の結ばれ方ですが、上に比べて、きちんと焦点を結べていることがわかりますよね? 物の見え方も上に比べてだいぶはっきりとしていることもわかると思います。なぜ、球面か非球面かでこのような差が生まれるのでしょうか。

実は、人間の目は完全な球形ではなく、特に角膜(黒目の部分)に関しては、上の図のような非球面の形に近いんです。そんな非球面状の角膜に球面のレンズを被せてしまえば、物の見え方が悪くなるのはなんとなく想像できますよね。

わからない方のために簡単に纏めると、非球面設計というのは、従来の球面設計のレンズに比べより人間の目の形に近い設計のレンズなんです。IQ14アスフェリックの箱に書いてある「すみずみまで視界ハッキリ!」の根拠はここにあるんですね。

たしかに酸素透過性と含水率の面では至らないレンズかもしれませんが、つけ心地と見え方の点ではとても優れたレンズであると言えます。

私や他の眼科検査員も勧める、マイナーですがコアな人気のあるコンタクトレンズ、IQ84アスフェリック。今のレンズのつけ心地にイマイチ納得できていない方は、一度このレンズを試してみるといいでしょう。

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