コンタクトレンズをネット通販で買う人はどれくらい? 利用者人口の推移とその影響

コンタクトレンズ利用者人口推移

2015年1月現在、利用者のコンタクトレンズ購入方法の大半はアイシティやハートアップなどいった大手一般販売店であり、ネット通販および処方箋不要のディスカウントショップを利用する人たちの割合はまだまだ低いです。

しかし、コンタクトレンズのネット通販や処方箋不要のディスカウントショップが徐々にシェアを増やしているのが現状。やはり手間のかからなさとコストの低さが前者に比べると魅力的なのでしょう。

少し古いデータになりますが、このグラフからもわかる通り、ネット通販でのコンタクトレンズ購入は年を追うごとに増えています。このグラフを見た限りでは微々たる上昇に見えますが、それでも1年で87億円上がっています。

ネット通販での購入者が年々増加している理由としては、コンタクトレンズの利用人口そのものが増加していることもそうですが、リアル店舗利用者が徐々にネット通販に流れてきていることが挙げられます。

やはり、同じ商品が安く買えること自宅から注文できること処方箋が不要であることなどが、リアル店舗に比べ魅力的なんですね。

私が眼科で話を聞いている限りでも、「処方箋だけもらってネット通販で購入」という形をとる患者さんが以前に比べ増えたように感じます。

市場規模の大半をまだ自分たちが占めているといっても、リアル店舗側としてはこの状況を無視することはできません。これからも加速度的にネット通販利用者が増えて行くことは想像に容易いので、リアル店舗側にも焦りが多々見受けられるようになりました。

これはコンタクトレンズに限ったことではありませんが、ネット通販がもっと一般化してくれば、既存の小売店はさらに運営が厳しくなることでしょう。

今の若い世代は、ネットが存在しなかった時代の人たちに比べ遥かにネット通販に対する抵抗がありません。その世代が消費者の中心となる時代になれば、上の一般販売店とネット通販の割合を示したグラフも、今とはだいぶ異なる色合いになっていることでしょう。

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危機感を感じているのは販売店だけではない

悩む眼科医

さて、少し話が逸れたので軌道修正しますが、ネット通販の市場規模拡大により危機感を覚えているのは、何もリアル店舗だけではありません。その店舗と提携を結ぶ眼科もまた、同様に危機感を覚えているのです。

なぜならコンタクトレンズの診療および眼科併設窓口でのコンタクトレンズの販売は、眼科医の主な収益源の一つであるためです。ネット通販や処方箋不要のディスカウントショップが台頭し、処方箋をもらうために眼科へ足を運ぶ人間が激減すれば、眼科の運営にも影響がでてきます。

だから、リアル店舗や眼科はネット通販のネガティブキャンペーンを行うんですね。「ネット通販は危険だからやめた方が良い」「ネット通販のレンズが安いのは質が悪いから」などと。

実際はそんなことないんですけどね。

「眼科=安全」「ネット通販=危険」は間違い

不審がる女性

ネット通販が一般化してからもう二十年以上が経ちますが、世の中にはまだネット通販に対して抵抗感を覚えている方が多いです。これはコンタクトレンズのネット通販についても同じですね。眼科に来る患者さんの話を聞いていると、「眼科=安全」「ネット通販=危険」と考えている人はまだまだ多いなあ、という印象を受けます。

たしかに、実際に眼の状態を見てもらえる分、ネット通販より眼科の方が安全性の面で優位に立つのは事実です。しかし、取り扱っている製品自体に差があるわけではありません。

眼科で取り扱っている製品も、リアル店舗で取り扱っている製品も、ネット通販で取り扱っている製品も、中身はまったく同じものです。

眼科スタッフやリアル店舗のスタッフがこれを否定するようなことを言っている場合、消費者は疑念を持たなければいけません。

「眼科で処方箋をもらって併設された販売店で買う。処方箋が切れたら眼科へ」というサイクルは、たしかに消費者の眼の安全を守ります。でも裏を返せば、それは消費者の眼のを守るという名目の上に成り立った、リアル店舗と眼科による既得権益の維持であるとも言えてしまうのです。

私は眼科で働く人間ですが、コンタクトレンズの使い方がちゃんとしているのであれば、ネット通販でコンタクトレンズを購入するのも選択肢としてはありだと思っています。だって、どう考えても効率的ですし、シンプルさを好み追い求めようとする時代の傾向に合っていますからね。

無駄な手間と無駄なコストをかけて物を手に入れたり何か事を行なうのは、そういった便利なツールがなかった頃の話。今はそれがあるのだから、どんどん有効的に使用するべきです。

これは別の記事でも書きますが、ネット通販のコンタクトレンズが安いのは質が悪いからというわけではありません(詳しくはこちらを参照)。たしかに数あるネット通販ショップの中には怪しいお店だってありますが(前述した通りネット通販もピンキリです)、大手のネット通販は大手の一般販売店に負け時劣らず優良です。

むしろそういったネット通販事情をよく知らないくせに自分の既得権益を維持するために「ネットのは品質が悪いから眼科で処方箋をもらわなくちゃ駄目だ」と管を巻いている先生方の方が、私としては信用ならない気がします。

もちろん、全ての眼科医がそうだと言っているわけではありませんが……。

まとめ

私はコンタクトレンズをリアル店舗で買おうと処方箋不要のディスカウントショップやネット通販で買おうと関係ないと思っています。安全性、利便性、コストなど、購入方法を選定するための基準となる項目はたくさんありますからね。

ただ、処方箋不要のショップでコンタクトレンズを買うのであれば、取り扱い方法にはより慎重になるべきでしょう。処方箋不要のショップを利用すれば、必然的に診察を受ける回数が減ることになります。つまり自分の眼の状態やレンズの使い方に客観な意見をもらえる機会が減ります。

コンタクトレンズの誤った使用方法によって眼に起こる障害の大半は、自覚症状を伴わないものです。だから、気付くのは症状がある程度深刻化してから気付くというケースが多々あるのです。

そのような事態を避けるために、ネット通販等でレンズを買っている人でも半年に一回は眼科医の診察を受けることをお勧めします。「それじゃ一般店で買うのと同じじゃないか」と思う人がいるかもしれませんが、一般店で買わなくていい分、コストはだいぶ抑えられます。

眼科で処方箋をもらったら、それをお店へ持って行かずにそのまま持ち帰りましょう。診察代だけはどうしてもかかってしまいますが、これならネット通販で購入しても、安全にレンズを使っていくことができます。

ちなみに眼科で検診を受ける際は、必ず処方箋をもらってくるようにしましょう。というのも、コンタクトレンズの診察と一般診察は値段が異なり、後者の方が高くなるからです。処方箋を発行しないとただの定期検診として扱われ、余分な料金を支払うことになります

さて、以上の内容を踏まえた上で、私が思うベストなレンズ運用法をまとめると、

  1. レンズを安く買うならコンタクトレンズネット通販を使う(ただし大手に限る)
  2. 眼の健康を考えて眼科での検診は半年に1回くらい受ける
  3. ただの検診でも必ず処方箋はもらう(最適レンズデータの把握にもなる)

こんな感じになります。

使っていて違和感を覚えたら、すぐに眼科の受診を。
これはどんな方法でコンタクトレンズを購入している方にも、共通して言えることです。

コンタクトレンズをネット通販で買おうと考えている方は、以下の記事を参考にしてみてください。

コンタクトレンズネット通販ランキング