初心者におすすめのソフトコンタクトレンズは?

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一口にコンタクトレンズと言っても、その種類は様々です。ソフトコンタクトレンズでも、1dayや2weekなどいくつかに分類できますし、さらには同じ1dayでも、製品によって付け心地や取り扱いのしやすさは大きく変わってきます。

コンタクトレンズ初心者の方の中には、どのレンズを選べばいいのか、何を基準に選んでいけばいいのか、といったことがわからず困っている方もいることでしょう。

そこで、今回は、現役の眼科検査員である管理人が、初心者の方にでもおすすめできるコンタクトレンズをピックアップしてみました。現在進行形でコンタクトレンズ選びに迷っている方は、是非参考にしてみてください。

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初心者におすすめソフトコンタクトレンズのタイプは?

ソフトコンタクトレンズにもさまざまな種類のものがあるというのは冒頭で書いた通りです。タイプだけで見ても、1day、2week、1month、あとは使い捨てでない長期タイプなど、4つに分類することができます。そのため初心者の方は、製品を決定する前に、まずはどのタイプのレンズを使うかを考えることになるかと思います。

初心者の方に最もおすすめなのは1dayです。理由は、毎日新しいものに取りかえるので、レンズを清潔に保つことができ、アレルギーなど眼のトラブルの発生を最小限に抑えられるからです。

ただ、1dayは全てのコンタクトレンズの中で最もランニングコストがかかります。だいたいどれくらいの価格差があるかというと、毎日コンタクトレンズを使った場合、2week、1monthのおよそ3倍のコストがかかることになります。

もちろん、レンズの種類や、使用頻度によって変わってきますが、基本的に1dayはコストがもっとも高いです。お金をとるか、眼の健康をとるか、ですね。眼科で働く身としては、なるべくみなさんには眼の健康をを優先していただきたいところです。(1dayは洗う手間もなく楽チンですしね!)

1dayが経済的に厳しかったら、次におすすめなのは2weekですね。何よりコストが抑えられますし、1monthに比べ交換サイクルが短いのでレンズの清潔さを保つことができます。

2weekを使うなら1monthでも良いとは思いますが、こちらは1枚のレンズ長く使う分、ケアをしっかりと行なっていかなければいけません。これから初めてコンタクトレンズを使うというのであれば、まずは2weekの使い方に慣れてから1monthに買えることをおすすめします。

使い捨てでない長期タイプのレンズという選択肢もありますが、現在ではあまり主流ではありません。1枚のレンズを1~2年使うことができるのでコストを最も抑えられますが、酸素透過率も低く、1枚のレンズを長く使うため、眼のトラブルに繋がるリスクはどうしても高くなってしまいます。

長期タイプのレンズを否定するわけではありませんが、個人的には、可能な限り使い捨てのコンタクトレンズを使った方が衛生的なのではないかな、と思います。

以上のことを踏まえるとおすすめレンズタイプの優先度は……

1day > 2week ≧ 1month > 長期タイプ

となります。

もちろんこれは製品によって変わるので絶対ではありません。1dayが眼にとって一番いいのは紛れもない事実ですが、中には「酸素透過性の観点から考えれば、1dayより2weekのシリコン性のレンズを使った方が良い」と考える人もいます。

酸素透過性とは?
そのレンズがどれだけ酸素を通すかを示すもの。角膜には血管がなく、空気中から酸素を取り入れているので、酸素透過性の低いコンタクトレンズを長時間付けていると眼が酸欠状態になってしまう。

酸素透過性の低いレンズを長時間付けているのは、衛生的によくありません。しかしシリコーンハイドロゲルという酸素をよく通す素材で作られたレンズを使えば、負担をいくらか減らすことができます。

酸素透過性の観点から1dayより2weekの方がいいと考える人がいたのは、もともと2weekにしかシリコン性のレンズがなかったからなのですが、最近では、1dayのシリコン性のレンズも出てきています。1dayのシリコン性のレンズは、衛生的な観点からも、酸素透過性の観点からも、おすすめですね(値段がちょっと高いのがネックですが)。

さて、どのタイプのレンズを使うかが決まったら、今度は製品を選んでいきましょう。以下に各レンズタイプごとのおすすめ製品をピックアップしてみました。参考にしてみてください。

おすすめの1day

1dayは初心者の方におすすめです。中でもおすすめな製品は以下の通りです。

プロクリアワンデー

クーパービジョンというアメリカのメーカーの製品です。非常に乾きに強く、水分を多く含んでいるためつけ心地がいいので、初めてコンタクトレンズを使う人の目にもすぐに馴染みます。

また、レンズの造りがしっかりとしているので、取り扱いがしやすいのもポイント。レンズの取り扱いに慣れていないうちは、ペラペラなレンズだと結構苦戦するものです。

ワンデーアキュビュートゥルーアイ

ヘルスケア製品でおなじみのジョンソンエンドジョンソンのレンズです。酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲルを使った製品なので、眼にかかる負担を抑えることができます。

シリコーンハイドロゲルを素材とした1dayはまだ世界に3つしかなく、そのうち1つがこのトゥルーアイです。他の2つは国内だと取り扱っているショップが限られてしまいますが、この製品はどこのお店でもだいたい取り扱われています。

「アキュビューシリーズ」の1dayは全部で3種類ありますが、トゥルーアイはその中で最も高い性能を持ったレンズです。

メダリストワンデープラス

ボシュロムというアメリカのメーカーのレンズです。性能は平均的ですが、価格が安いので高いコストパフォーマンスが得られます。

おすすめの2week

初心者の人におすすめな2weekは以下の通りです。
(性能的にはさらに優れたレンズがあるのですが、初めての方が使うと滑って取り外しにくいかもしれないので、ここでは紹介を省かせてもらいます。気になる方はこちら

エアオプティクスアクア

アルコンが製造・販売している2weekです。形状保持制、酸素透過性に優れ、汚れや乾きへの耐性を持った高性能なレンズですが、若干硬めです。

アキュビューオアシス&アキュビューアドバンス

ジョンソンエンドジョンソンが製造・販売している2weekシリコンレンズです。シリコンレンズは素材の性質上、硬い付け心地になりがちなのですが、オアシスとアドバンスは比較的柔らかく、装用感重視で設計されています。性能的にはアドバンスよりもオアシスの方が遥かに上です。

2ウィークアキュビュー

2ウィークアキュビューはその名の通り2weekのアキュビューですが、オアシス、アドバンスなどのシリコンレンズが出る前のレンズなので、酸素透過性はあまり高くありません。ただ、数ある2weekの中でも非常にベーシックな設計になっているので、付け心地がよく、誰の目にも馴染みやすいレンズだと言えます。

おすすめの1month

1monthはあまり種類がないので選ぶほどではないかもしれません。

エアリーワンマンス

HOYA(ホヤ)という日本のメーカーが製造・販売している1monthシリコンレンズです。高酸素透過性、UVカット機能付き、乾きにも強い高性能レンズですが、付け心地が若干硬めです。

エアオプティクスEXアクア

アルコンが製造・販売している1monthシリコンレンズです。UVカットが付いていないことを抜かせばエアリーワンマンスとほとんど同じようなものですが、こちらも負け時劣らず硬めです。1monthのシリコンレンズはどれも極度に高い酸素透過性を追求しているため、どうしても硬くなってしまうんですね。

おすすめの長期タイプ

一応長期タイプの案内もしておきます。

ファシル14(ECカラー)

シードが製造・販売している長期タイプのソフトコンタクトレンズです。「イーシーカラー」というのは、アイシティでの販売名ですね。ファシル14とイーシーカラーは、名前は違えどまったく同じ製品です。

ファシル14は優れた付け心地と高い耐久性を持つレンズです。適切なケアを行ない丁寧に扱っていれば、1年半〜2年は使うことができるでしょう。

今のように使い捨てレンズがメジャーになる前は、「ソフトコンタクトレンズと言えばファシル14」と言っても過言ではないくらいに普及していた時期もありました。私が働いている眼科にいる60過ぎののベテランの検査員は、「ファシル14に勝る長期タイプのレンズはない。昔はどのメーカーもこのレンズを目指してレンズを作ったが、結局及ばなかった」とよく言っています(あくまで個人の意見です)。

おすすめコンタクトレンズランキング

初心者の方がレンズ選びする時の参考になるように、1dayと2weekのランキングページへのリンクを用意してみました。以下のページでは、1dayと2weekのレンズをさまざまな項目でランキングしています。

おすすめコンタクトレンズランキング-1day編-
おすすめコンタクトレンズランキング-2week編-