ソフトコンタクトレンズのよくある勘違い

コンタクトレンズとブリスターケース

眼科で検査をしていると、患者さんからさまざまな質問を受けます。

それら質問の受け答えをしていると、レンズに対して誤った認識をしている患者さんが意外に多いことに気付きます。

この記事では、皆さんのレンズに関する勘違いをできる限りで訂正していこうと思っています。思いつく度に少しずつ項目を増やしていくつもりです。

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2week、1monthに対する認識の誤り

ディスポーサブル(使い捨てタイプ)のコンタクトレンズにはそれぞれ、1day、2week、1monthと使用できる期間が分けられています。

よく勘違いされている患者さんがいらっしゃいますが、

繰り返し使えるレンズの2weekや1monthという値は、「使用できる最長日数」です。

二週間経ったら交換をしなければならない、という認識だと少し誤りがあります。二週間経ったら絶対交換。レンズに何らかの異常を感じた場合は、たとえ一週間しか使っていなくても交換した方がいいです。

1dayと違って使い回しをする分、きちんとケアをしていても些細な汚れは蓄積していきますからね。その些細な汚れが大きな問題へと発展しないよう、レンズに異変を感じたら、たとえ二週間経っていなくてもケチらず新しいものを開封するようにしましょう。

1day、2week、1month、それぞれの汚れやすさに対する認識の誤り

「2weekとか1monthって1dayに比べて汚いですよね? だってずっと同じ物を使い回しているんだから」

これも検査員として働いているとよく出る質問の一つですね。

このような質問をされた時は、私はいつも「うーん」と困った声を出してしまいます。

たしかに言っていることは合っています。1dayは一日で使い捨てることができるのだから、総合的に考えれば清潔度は高い。

しかしそういう質問をしてくる患者さんの聞き方には、若干の認識の誤りを感じました。

1dayと2weekと1monthは、そもそも違う素材でできているので、汚れる速度が違います。

まあこんなのは、考えてみれば当たり前のことですが、三つのレンズはそれぞれ異なる性質を持った素材でできています。1dayは一日で捨てなければならないレンズなので一日持てば良い設計になっていますが、一ヶ月もぶっ通しで使う1monthではそうはいきません。1monthは1dayに比べて遥かに汚れにくく、耐久性も遥かに高いです。

とはいっても、やっぱり毎日新しいものを使える1dayがいちばん健康的であることに変わりはありません。ただ、2weekも1monthきちんとしたケアを行なえば、ある程度の清潔さを保ったまま使用していくことは可能です。

含水率に対する認識の誤り

ソフトコンタクトレンズにはそれぞれ含水率という値が存在します。含水率とはそのまま、レンズがどれだけ水分を含んでいるかを示した値です。当然、値が大きければ大きいほど、レンズのうるおい感は強くなります。

しかし、含水率は高ければ高いほどいいというわけではありません。含水率が高くなればその分レンズが汚れやすくなり、目は乾きやすくなります

え、水分を多く含んでいるのに乾きやすいの?この一言が矛盾のようにに思えてしまう人もいるでしょう。そうなんです。レンズの含水率が高ければ高いほど、瞳は乾きやすくなるんです。

これについては以下の記事でより詳しい説明をしているので、参考にしてみてください。

ソフトコンタクトレンズにおける含水率とは