コンタクトレンズを処方箋無しで買うのは違法?合法?

考える男性

最近、処方箋がなくてもコンタクトレンズが買えるネット通販店が増えています。

でもそこでコンタクトレンズを買うのって、法的にはどうなんでしょう。そんな疑問を持っている方も多いでしょう。

この記事では、皆さんが持っているそんな疑問についてお答えしたいと思います。

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そもそもコンタクトレンズの処方箋とは?

処方箋無しでレンズを買うのが違法か合法かについて考える前に、まず、処方箋とは何かということをはっきりさせておきましょう。

処方箋という言葉を辞書で調べてみると、以下のように出てきます。

医師が、患者に投与する薬について薬剤師に与える指示書

もしこの段階で「ん?」と感じた方は、なかなか鋭いです。

そうです。この辞書にも書かれている通り、本来、処方箋とは、医師が薬剤師宛に書く薬の指示書なのです。逆に言えば、薬を購入する場合にのみ必要になるもので、薬でないコンタクトレンズの購入に処方箋は本来必要ないのです。

そもそも、眼科で発行してもらえるコンタクトレンズ処方箋は、処方箋という名が付いてはいますが、厳密にいうとただのデータ表なのです。

コンタクトレンズを処方箋無しで買うのは違法?合法?

さてここからが本題。
コンタクトレンズを処方箋無しで買うのは違法か合法か。結論から先に言ってしまいましょう。コンタクトレンズを処方箋無しで買うのは合法です。

コンタクトレンズに関することが書かれている法律は「薬事法」です。あまり聞き馴染みのない法律かもしれませんが、この法律には、医薬品・医薬部外品・化粧品そして医療用具に関することが書かれています。コンタクトレンズはこの中の医療用具に含まれます。

薬事法全文の中から、医療用具に関する項目を一通り見みても、コンタクトレンズの購入の際には処方箋を必ず提出しなければいけないというような旨は書かれていません。

薬事法全文

2005年の改正の際にもコンタクトレンズに関するのいくつかが改正されたのですが、コンタクトレンズ処方箋に関しては全くのスルー。改正はありませんでした。
コンタクトレンズを販売する側には、地域保育所に許可申請をもらわなければいけないというルールがあります。しかし、購入する側にはこれといったルールがない(薬事法上では)というのが現状です。

一応、日本コンタクトレンズ協会は、販売自主基準というものを設け、「コンタクトレンズの販売はコンタクトレンズ指示書に基づいて行なうように」という指示を出していますが、これはあくまで基準であって法律ではありません。

販売自主基準|日本コンタクトレンズ協会

自主基準の後半部にも、本文後半にも「自主的な基準であるため強制力は持っていません」と明記されています。

では、販売店はどうして処方箋の提出を求めるのか?

法的義務がないにも関わらず、どうしてコンタクトレンズ販売店は処方箋の提出を求めてくるのでしょうか。その理由は大きくわけて3つあります。

  1. メーカーの信頼度を維持するため
  2. 患者の眼の健康のため
  3. 利益のため
これら理由について簡単にまとめます。

1.メーカーの信頼度を維持するため

コンタクトレンズ利用者の眼に何らかのトラブルが生じた時、たとえそれが不適切な使用方法のせいであっても、コンタクトレンズ自体に責任が問われることがあります。

こうなってしまっては、メーカーとしては面白くありません。最悪、製品の評判にも影響が及びます。だから各メーカーは、そのような事態になるのを防ぐために、販売店に処方箋の提示を促しているのです。

2.患者の眼の健康のため

これは一番わかりやすいですね。処方箋をもらうために眼科に行けば、医師が患者の眼を診察することになります。そして、そこで何かしらのトラブルが発見されれば、コンタクトレンズの利用を中止させ、症状の悪化を防ぐことができます。

眼のトラブルの大半は、ある程度悪化するまで自覚症状がないものも多いです。しかし処方箋があれば、定期的に眼科へ足を運ぶようになるので、「手遅れ」になるのを防ぐことができるのです。

3.販売店と眼科の利益のため

購入時に処方箋を提出するということは、少なくとも一度は眼科へ足を運ぶ必要があることです。

コンタクトレンズの販売店の多くは、近くにある眼科(たいていは隣にある)と提携を結んでいるでの、コンタクトレンズが欲しくてやってきた客をその提携眼科に送ります。眼科は診察料で利益を得ているので、販売店が客を提携眼科に送ることは、そのままその眼科の利益につながります。

提携しているということは、もちろん販売店側にもメリットがあります。眼科と提携している販売店は、提携眼科の中に、検査員として自社の店員を送り込んでいます。つまり、販売店と提携している眼科のスタッフには、たいてい1人や2人は検査員に扮した販売店の店員が混ざっているということです。

もちろん、販売店の店員はただ眼科で検査の手伝いをしているわけではありません。表向きは検査のお手伝いですが、実際の目的は、白衣を着て店にとって利益になる製品を勧めることにあります。この「白衣を着て」というところがミソですね。これが販売店側の、眼科と提携するメリットです。

処方箋をもらった患者が眼科を出た後に向かうのは、ほぼその眼科と提携する販売店でしょう。そこで患者がコンタクトレンズを購入すれば、店に利益が生まれます。

そして処方箋は、その店で保管することになります。こうすることで、販売店は、その客が処方箋期間以内に他のお店を利用するのを防ぐことができるのです。

客の処方箋の期限が切れた場合は、また提携眼科に送ることで、またこの流れが一から繰り返されます。

コンタクトレンズ処方箋には、客の囲い込みとしての役割もあるということです。

嫌な話ですが。

まとめとして

以上でコンタクトレンズの処方箋に関する違法合法の話はおしまいです。

最後の方で、ちょっと話が脱線してしまいましたが、コンタクトレンズを処方箋無しで購入するのは合法です。ネット通販を利用して購入している人も、何も咎められることはないのでその点は安心してください。

とはいえ、眼の健康を気にするのであれば、眼科には定期的に足を運んだほうがいいでしょう。コンタクトレンズ処方箋なんて、せいぜい500円程度で手に入ります。ネット通販でコンタクトレンズを安く買いたい人は、その処方箋を販売店に持って行かず持ち帰ればいいのです。

ただし、眼科の中には、提携している販売店か、その眼科の中でしかコンタクトレンズを買えないようなシステムをとっているところもあるので、注意が必要です。ネット通販でコンタクトレンズを買う予定の方は、ちゃんと処方箋を渡してくれるかどうかを、受信する前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

参考リンク

どのネット通販ショップを利用すればいいかわからない、という方のために、当サイトでは「コンタクトレンズネット通販ランキング」というものを用意しています。処方箋なしでコンタクトレンズを買えるショップのみをランキングしているので、興味があれば覗いてみてください。

コンタクトレンズネット通販ランキング