近くの見え方はプロクリアマルチフォーカル以上?
加入度(近くを見る度数)は2種類から選べます。
このページでは、シードが製造・販売を行っている遠近両用1day「ワンデーピュアマルチステージ」についての情報や口コミなどのまとめ、ネット通販の価格比較などを行なっています。
※本商品の正しい表記は「1dayPureマルチステージ」ですが、この記事では読みやすさを優先してカタカナ表記にしています。
目次
ワンデーピュアマルチステージとは?
日本でも有数のコンタクトレンズメーカー、シード。
ワンデーピュアマルチステージは、そのシードを代表するコンタクトレンズブランド「ピュア」の、遠近両用1dayです。
もともとあった普通の1day、「シード ワンデーピュア」をベースに作られた製品ですね。含水率や酸素透過率などの基本的なデータは普通のワンデーピュアと同じですが、度数の入り方が大きく異なるので、ほぼ別の製品と考えていただいた方がいいですね。
製品の特徴としては、遠くよりも近くの見え方に重点が置かれた遠近両用コンタクトレンズです。開発の段階でシードにそのような意図があったのかはわかりませんが、後述する「プロクリアワンデーマルチフォーカル」に比べると、遠くの見え方が若干弱く、近くの見え方は優れています。
加入度(近くを見る度数)は+0.75と+1.50の2種類。
加入度+0.75では近くを見るのが辛くなった方は、+1.50にすることで対応範囲を変えることができます。なお、加入度が変わってもレンズの価格が変わることはありません。
ワンデーピュアマルチステージの性能
メーカー | シード |
タイプ | 1day |
度数範囲(D) | +5.00 ~ -10.00(0.25step) |
加入度(D) | +0.75、+1.50 |
素材 | 非シリコン素材のコンタクトレンズです。 |
枚数 | 30枚 |
含水率 | 58% |
酸素透過係数(Dk) | 30 |
酸素透過率(Dk/L) | 42.9 |
レンズ中心厚(mm) | 0.07 |
ベースカーブ(mm) | 8.80 |
レンズ直径(mm) | 14.2 |
UVカット | あり |
データからわかること・特徴
- 度数がプラスからマイナスまですべて0.25step
- 加入度が2種類用意されている
- 1day遠近両用では最高の酸素透過率
- 1day遠近両用では唯一のUVカット機能
ワンデーピュアマルチステージの評判
ワンデーピュアマルチステージの評判を一言で表すなら「まずまず」でしょうか。他のコンタクトレンズ情報サイトを見ていると「人気が高い」という紹介のされ方を目にすることがありますが、そこまで言ってしまうと嘘になるような気がします。利用者数は決して多くありません。しかし、一部利用者には高く評価される製品です。
そもそも、現在一般的に流通している1dayの遠近両用コンタクトレンズは、4つしかありません。クーパービジョンの「プロクリアワンデーマルチフォーカル」、アルコンの「デイリーズアクアコンフォートプラスフォーカル」、ジョンソンエンドジョンソンの「ワンデーアキュビューモイストマルチフォーカル」だけです。
ちなみに、これら4製品のシェア率には大きな偏りがあります。私の眼科でのシェア率や、ネットでの口コミなどから想定すると、だいたいこんな感じになります。
プロクリア :7割
ピュア :2割強
デイリーズ :1割未満
※ワンデーアキュビューモイストマルチフォーカルはまだ新しい製品のため記載していません。個人的には、評判は悪くないがプロクリアには及ばないという印象です。
もちろん、地域や年齢層によってこの値は上下するでしょうが、どこでもだいたいこのようなバランスになっているのではないかと思います。
遠近両用は見え方が命。いくら性能がよくても、価格がやすくても、見え方がよくなければ意味がありません。つまりこのシェア率はそのまま人気度の高低だと考えていただいでいいでしょう。見え方の人気においては、プロクリアが他を圧倒しています。
逆にデイリーズは、こう言ってしまっては悪いですが、最早あってないような物になってしまっていますね(使っている方がいたらごめんなさい)。
私が働いている眼科では、プロクリアやピュアが合わなかった方に最終手段としてご案内しています。ただ、ほとんどの方が、プロクリアとピュアが合わない時点で1day遠近両用の利用を諦めるので、デイリーズが選ばれる確率はかなり低いです。
では、肝心のピュアはどうなのか。
「ピュアだってたった2割強程度しか利用者がいないじゃないか」と思う方もいるかもしませんが、それでもまだ近くが見えるので、遠くも近くも見え方が微妙なデイリーズに比べればまだマシということができます。
むしろピュアは、近くの見え方に関してはプロクリアよりもいいので、たとえ利用者数が少なくても、まったく需要がないというわけではありません。トータルの見え方はプロクリアに負けてしまいますが、近くの見え方だけに限定すればプロクリア以上です。
プロクリアを試して「遠くはよく見えるけれど近くが……」という方が、ピュアを試して「こっちの方がいい」というのはよくあることです。
冒頭で書いた一部利用者とは、プロクリアの見え方に満足できなかった方々ですね。「プロクリアは苦手だけど遠近両用1dayは使いたい」、そんな方々が、この製品を使います。
他の遠近両用1dayにはないUVカット機能を持っていることや、非シリコン素材にしては高めの酸素透過率も、地味ですが魅力の一つ。ただ、遠近両用コンタクトレンズが見え方が命なので、これら2点を気にする方はほとんどいませんね。
ワンデーピュアマルチステージの弱点
ワンデーピュアマルチステージの弱点は、遠くの見え方が悪いことです。これは他の遠近両用1dayにも少なからず言えることですが、中でもピュアは、特に遠くの見え方が弱い印象があります。その理由についてお話しします。
遠近両用ソフトコンタクトレンズは、遠くと近くを見るために同時視型という仕組みを用いています。
詳しく説明すると長くなってしまうので省略しますが、同時視型は、遠近両用の眼鏡やハードコンタクトレンズに用いられる交代視型に比べ遠くの見え方がぼんやりとしやすく、遠近両用コンタクトレンズ独特のクセというか、見え方のクセが出やすいのです。
同時視型の遠近両用コンタクトレンズは、遠くと近くのどちらかの見え方を向上させると、もう一方の見え方が悪くなるという性質をもっています。
ピュアの場合、他の遠近両用1dayに比べ近くがよく見えるので、その分遠くが見づらいんですね。近くを見るために入っている度数が、遠くの見え方に干渉しやすいのです。
では、遠くがよく見えるプロクリアは近くがとても見づらいのかというと、そんなことはありません。ピュアほどではありませんが、それなりに高い評価は得ています。
総合的な評価プロクリアの方が上、ただ、近くの見え方ではピュアの方が上、といったところでしょうか。
プロクリアワンデーマルチフォーカルの詳細については以下の記事で触れているので、興味がある方は参考にしてみてください。
⇒プロクリアワンデーマルチフォーカルの詳細データ・ネット通販価格比較
その他ワンデーピュアマルチステージの特徴
ワンデーピュアマルチステージは、ソフトコンタクトレンズには珍しい、プラス度数からマイナス度数まですべてが0.25stepで作られた製品です。
普通のコンタクトレンズは、度数が-6.00付近になると0.25stepから0.50stepに切り替わるものが多いのですが、ワンデーピュアマルチステージは、より多くの利用者のニーズに対応できるよう、細かく度数が用意されています。
また、ワンデーピュアマルチステージは、2種類の加入度が用意されています。
プロクリアには加入度が+1.50しか用意されていないので、この点も、プロクリアと比べた時の強みになりますね。
ちなみに、ピュアの加入度+0.75は、プロクリアの加入度+1.50より近くが見やすいと言われています。
それを踏まえると、現在進行形でプロクリアを使っている方は、近くが見づらくなった時、プロクリアからピュアの+0.75、+1.50といった風にレンズを変えていけば、老眼の進行にある程度対応できるということになります。
……一度プロクリアの遠くの見え方に慣れてしまうと、ピュアでは物足りなく感じる可能性が高いですが。
遠近両用コンタクトレンズは眼科での検査が必須
これはすべての遠近両用コンタクトレンズすべてに言えることですが、遠近両用コンタクトレンズを実際に試さず買うのはかなりリスキーなのでやめておきましょう。
上に書いた通り、遠近両用コンタクトレンズの加入度は当てにならないことが多いです。もう既に遠近両用コンタクトレンズを利用している方でも、同じ度数でワンデーピュアマルチステージを買って同じような見え方になるかというと、まずなりません。
「遠近両用コンタクトレンズに関しては試すしかない。数値を気にしてもしょうがない」というのは、私が働いている眼科のベテラン検査員がよく言っていることです。私もまったくその通りだと思っています。
既にワンデーピュアマルチステージを利用している方でない限り、ネット通販をする前には必ず眼科での検査をするようにしましょう。高いお金を出して買って「全然見えなかった」では洒落になりません。
ワンデーピュアマルチステージのネット通販価格比較
当サイトでは10以上のネット通販ショップを紹介していますが、その中にワンデーピュアマルチステージを取り扱っているショップはありません。
ワンデーピュアマルチステージを購入するなら、Amazonや楽天市場を利用するといいでしょう。
価格は楽天市場の方が安いですね。最安値に300円ほど開きがあります(2017年4月時点)。
ネット通販で買えば一般の販売店で買うよりもはるかにコストを抑えられます。もちろん、ネット通販で販売されているものと、店頭で販売されているものは同じものです。