眼科で働くには? 仕事内容とか、どんなスタッフがいるかについて

カルテを見る白衣の女性

先日、当サイトのお問い合わせフォームにこんな内容メールが届きました。

「現役の大学生なんですが、将来眼科で働きたいんです。医学専門じゃないんですけどなれますか?」

この手のメールは初めてだったので驚きましたが、まさか大学生のうちから「眼科で働きたい」なんて思っている子がいるとは思わなかったので、二重で驚きました。しかも話を聞けば、文学部の女の子だそうで……。

と、いうわけで今回は、コンタクトレンズはちょっと関係ないですが、眼科検査員とは何か、どんなお仕事をするのかについて記事を書いてみようと思います。

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眼科での仕事は楽?

眼科での仕事と一口に言っても、眼科にはさまざまな役職の人がいます。よって仕事の大変さも役職によってさまざまです。一言で眼科の仕事は楽だとか大変だとか、言い切ることはできません。眼科の規模によって全体的な忙しさは大きく変わってきます。

ただ、10年以上この業界にいる身としては、やっぱり眼科での仕事は楽な方なのではないかと思います。私は眼科で働き始める前に、ショップ店員や、飲食店の店員、塾講師など、アルバイトという形でいろんなお仕事をしてきましたが、ハッキリ言ってどれも長続きしませんでした。主にヘタレすぎて。

でも眼科での仕事は10年以上続いていますし、これからも続けていける自信があります。ってことは、精神的にも内容的にも、この仕事は楽な方なんじゃないかと思います。個人的な感覚ですが。

これから眼科で働こうと思っている人にアドバイスするとすれば、自分が働こうと思っている眼科が楽そうかどうかを、最初に入念に調べておくといいと思います。具体的には、混み具合とか、院長の人柄とかをね。

私は都内にある眼科で働いていますが、都内でも暇な眼科はたくさんあります。どれくらい暇かというと、ちょくちょく休憩室に引っ込んで読書をしたり、仮眠をとったりできてしまうレベルです。この辺の暇つぶしを院長が許可してくれるかどうか。それは、実際に働いてみないとわかりませんが。

あと、楽さとは関係ないけれど、トライアルレンズと言って、メーカーからお試し用に送られてくるコンタクトレンズをタダでもらうことができるのもメリットの1つ。コンタクトレンズ代を浮かすこともできたりします。実際、眼科で働く一番のメリットはこれかもしれませんね。

眼科で働くのに必要な資格は?

眼科での役職については後述しますが、医師や、視能訓練士などの役職につくなら、当然、資格は必要になります。しかし、それ以外のスタッフに関しては、基本的に何も資格はいりません。几帳面さとある程度のテキパキさがあれば充分です。

たとえば、過去に眼鏡屋さんで働いていて、眼鏡処方のスキルが身についていたりすると、即戦力になれるので重宝されます。ただ、そんな経歴がある方も少ないと思うので、基本的には資格ナシ未経験でOKです。

眼科ではどんな人が働いている?

では、眼科には具体的にどんな役職の人たちがいるのかを見ていきましょう。

1,普通の眼科スタッフ

忙しさ:★★★★

いわゆる「医療事務」ですね。眼科内で最も一般的な仕事をします。受付・電話対応などの基本的な事務から、カルテの管理、基本的な検査、医師の補佐などさまざまな業務を行ないます。眼科にいる人たちの中で、一番仕事の幅が広いと言っても過言ではありませんね。院長が「狭く、深く」であれば、「広く、浅く」のお仕事です。

雇用形態もさまざまで、アルバイトやパートとして働いている人もいれば、普通の企業で言うところの社員さんみたいな形で働いている人もいます。受付や本当に基本的な事務だけという扱いで、大学生バイトを雇っているクリニックもありますね。

雇用形態に関しては、眼科によって結構方針が変わってくるので、何とも言えません。中には、私が働いている眼科のように、院長がケチでスタッフ全員がアルバイトの扱いのところもあります。

基本的に女性が多いですが、女性でなければいけないというわけでもありません。稀にですが、男性のスタッフもいます。

2,眼科コメディカル

忙しさ:★★★

そのまま「眼科コメディカル」という名前の資格を持った眼科スタッフです。眼科診療アシスタントやOMAとも呼ばれますが、これらは古い名称で、今はあまり使われません。

資格の認定先は日本眼科医界です。
やっぱり資格を持っている分給料は少し良くなりますが、かといって、普通の眼科スタッフとのあいだに明確な実力差があるかと言えば、そういうわけでもありません。普通に事務仕事をしたりすることもあります。

ちなみに眼科コメディカルには他にも別名があって、「眼科検査員」とも呼ばれます。
……一応私も資格保持者です。

試験は結構ひねくれた内容になっていますが、眼科で勤務していれば普通にこなせるレベルだと思います。

3,視能訓練士

忙しさ:★★★★

コメディカルと同じく資格持ちのスタッフですが、こちらは国家資格ですね。検査専門のスタッフです。ORTとも呼ばれます。

やっぱり国家資格なので、同じ資格持ちと言ってもコメディカルとはレベルが違います。弱視、斜視などの矯正は、基本的に視能訓練士にしかできません。私の眼科にも若い視能訓練士の男の子が一人いますが、私より10歳近く若い年齢でありながら難易度の高い検査をササッとこなしてしまう様はやはり検査のスペシャリストです。。

立ち位置としては、他の検査員より医師の方に近いですね。医師は言うまでもなく眼医学のプロですが、かといって全ての眼に関する知識を網羅しているわけではありません。特に検査の分野では、視能訓練士の方が詳しい場合も多々あります。院内に置ける院長の良き相談相手、といったところでしょうか。

視能訓練士の資格試験を受けるためには、視能訓練士養成所(専門学校)や短大・大学などで専門の教育を受けている必要があります。目指せなくはないですが、大学卒業後から志すのはちょっと厳しいかもしれませんね。

4,看護師

忙しさ:★★★

眼の手術を行なう眼科には、看護師さんが勤務している場合もあります。主な仕事は手術の補佐や介助など。もちろん暇な時間もあるので、そういった時は眼科の事務や視力検査などの基本的な検査のお手伝いをします。

5,医師

忙しさ:★★★★★

説明不要ですね。眼医者さんです。お金持ちです。
来院してくる全ての患者さんと絶対に関わるので、ある意味、一番忙しいお仕事かもしれません。ウチの院長が必要以上に長話して、自分で暇な時間をしているのもいつも見ているからそう感じるのかもしれませんが……

6,提携しているコンタクトレンズ販売店の店員

忙しさ:★★★

皆さんは、眼科で白衣を着ている人たちの中に、たまにコンタクトレンズ販売店の店員が紛れ込んでいることがあるのって知ってますか? ……って書いちゃうと販売店の店員さんたちがかなり悪者みたくなっちゃいますが、別に否定しているわけではないので、誤解しないでください。

隣接している眼科とコンタクトレンズ販売店は、大抵、提携をしています。提携することでどんなメリットがあるかというと、眼科はコンタクトレンズ処方箋がほしい患者を送ってもらうことができ、販売店は、眼科の中に店員を送れるので、店にとって利率の良いコンタクトレンズを患者さんに案内しやすくなります。つまり患者さん(お客さん)の囲い込みができるというわけです。

……って書いちゃうと余計悪者みたくなっちゃいますね。

ちょっと身の上話

そもそも私、実はもともと某コンタクトレンズ販売店の店員だったんです。でもお店の受付にはほとんど立たず、仕事は検査が主で、ほぼ毎日、白衣を着て眼科へ侵入お手伝いをしに行っていました。

言い訳するわけじゃないですが、私は売上げなんて基本的にはどうでもよくて(すみません当時の店長)ひたすら患者さん目線の検査していたので、店員としての成績はあまりよくありませんでした。しかし、逆に眼科では患者さんや院長からよく褒めてもらっていたので、眼科で働く方がむしろ居心地がよく、気づいた時には、もうどっちのスタッフなんだか自分でもよくわからない状態になってました。

そして、働き始めてから1年目くらい経った頃、ついに院長から誘われたんです。「もうウチのスタッフになっちゃえよ」って。

二つ返事でしたね(笑)ウチの眼科、混むときはちょっと大変なんですが、暇な時は休憩室で小説読んだりお昼寝ができるくらい暇ですし、院長が提示してきた給料もそんなに悪くなかったので、簡単に寝返っちゃいました。

さすがにお店側からはひんしゅくを買うと思ったけど、なぜか大して売上げに貢献していなかったわりに店側からの印象は悪くなかったので、眼科に移ることが正式に決まった時はそれなりに惜しんでもらえました。

おかげさまでその後もお店側とギクシャクすることなく……、店長はさすがにもう代わってしまいましたが、今でも店とは仲良くさせて頂いてます。

コメディカルの資格を取ったのは、その3年後くらいですかね。向上心はそんなに内包なので、少しでも給料が上がればっていう軽い気持ちで講習を受け、試験に臨みました。

そんな経過があって、私は今、眼科検査員として働いています。

7,よくわからないやつ

忙しさ:★

というわけで、眼科には、私みたいによくわからないポジションの人もたまにいます。上で「雇用形態に関しては、眼科によって結構方針が変わってくる」な
んて書きましたが、思えば私がその典型例でしたね(笑)

私はコメディカルの資格を持っていますが、実は眼鏡の処方ってほぼやりません。大抵他の眼科スタッフの子か、普通の眼科スタッフ視能訓練士の人がやっちゃいますからね。コメディカル失格なんじゃないのかな……。

もちろん事務もあんまりやらないし、受付なんかここ数年立ってません。院長が助けを呼ぶような専門的なことは視能訓練士の彼がやりますからね。私は「へぇ、大変そうだなあ」と見ているだけです。

そのかわり、私は元コンタクトレンズ販売店の店員と言うこともあり、コンタクトレンズ関係のことを大方任されています。

院長からは「コンタクトレンズ・アドバイザー」なんて呼ばれたりもしていますが、ハッキリ言って、カッコイイ称号を与えてその気にさせて、眼科から逃げないように囲い込まれている気しかしませんね。

でも、コンタクトレンズのことなら、さすがに院内の誰にも負けない自信があります。(そうじゃないと存在意義が……)

今では販売店から検査のためにやってきた店員さん(ちょうど私の後輩のようなものですね)に検査を教えたりしながら、のんびりと眼科検査員をやっている。そんな感じでございます。

眼科で働きたいなら、自分が最終的にどのポジションに着きたいのかをあらかじめ決めておきましょう。

だいぶ長くなっちゃいましたが、とりあえず、眼科で働く場合最終的に上の7つのポジションに収まると思います。もしかすると眼科によっては、また別の特殊な人たちがいるのかもしれませんが、私が知っているのはひとまずこんな感じですね。

ちなみに、7つといっても、「現実的に」「誰もが就ける」となると、その数はもっと少なくなります。

とりあえず医師と視能訓練士は除外ですね。視能訓練士の養成学校は大学を出てからでも行けますが、時間や経済の面から考えると行ける人は限られます。なので除外。

看護師は一応資格を取れば誰でもなれますが、「眼科で働くために看護師になる」っていう人はあんまりいないんじゃないかな。「看護師の資格を持っている人が転職して眼科で働く」が一般的でしょう。まあ、ハードワークな看護という仕事の中でも、眼科での看護は比較的楽なので、人気はあるんですけどね。ただ倍率高いわりに給料はそこまで高くない……。

そしてコメディカル。
実はコメディカルって名ばかり資格みたいな感じで、実際はほぼ普通の眼科スタッフなんですよね。給料も変わらないところが多いですし。普通のスタッフと技術的に大きな差が出るわけでもないんで、わざわざ資格を取る必要ももはやない。

……ということを考えて選択肢をはずしていくと、眼科で働くための現実的なルートは以下の三つになりそうです。

  1. パート、アルバイトとして普通に応募
  2. アイシティなどの販売店に採用され、検査員を志願する。
  3. 2を達成したのち、販売店の受付に立たず眼科に入り浸り、私のようによくわかんないやつになる

もちろん、医師や視能訓練士になれるなら、それに越したことはないですが。
もう既に看護師で、眼科を探しているという方は「ナースではたらこ」などの看護師向け転職サイトを利用するといいでしょう。

「自分にぴったりの病院に転職したい!」そんなあなたに[ナースではたらこ]

1,パート、アルバイトとして普通に応募

眼科で働くことを考えた場合、一番基本と成る選択肢ですね。眼鏡屋さんで働いたことがあったりすると、受かる確率がぐんとアップします。知識ゼロからのスタートだと、最初は覚えることがたくさんあって大変かもしれませんが、慣れてしまえば結構楽な仕事です。楽さを求める人は、暇そうな眼科を狙いましょう(笑)

2,アイシティなどのコンタクトレンズ販売店に採用され、検査員になる

「1~4」の選択肢の中で最も難易度が低いのが「2」です。
近年のコンタクトレンズ販売店は絶賛人がいない状態ですからね。特に眼科で検査をするスタッフは不足しています。理由は、やっぱり検査に難しそうなイメージがあるからでしょうか。でも私に言わせてもらえば、慣れれば簡単だし、暇な眼科を選ぶことができれば、のんびりしてても給料がもらえるので、逆に楽です。受付のようにずっと立っている必要もありませんからね。もちろん、眼科によるでしょうが。

3,「2」を達成したのち、販売店の受付に立たず眼科検査だけをこなし、最終的に私のようによくわかんないやつになる

まあ、よくわかんないやつになる必要はないんですけどね(笑)要は、販売店に採用されても販売店の店員らしいことはせず、提携眼科で検査ばっかりしてお声がかかるのを待てってことです。あるいは、自分からアプローチをかけてもいいですね。

ちなみにこれ、かなり可能性が低そうに感じるかもしれませんが、実は、私みたいにもともと販売店の店員から引き抜かれて眼科スタッフになった人って結構いるんです。私も何人か知っています。「2」になって眼科で働くようになると、結構色んな眼科にヘルプに行くようになります。そこでいろんな院長と知り合えば、次第に可能性も広がっていくでしょう。

実際どうやって眼科で働く?探す?

いよいよ最後です。
眼科で働きたいと思っている皆様に、どうやって働く眼科を探すかを紹介して、この記事をしめくくりたいと思います。上で「1〜4」で紹介したことを、一つずつ掘り下げていきますね。

1,パート、アルバイトとして普通に応募

眼科職員のパートやアルバイトとして働きたいのであれば、まず、近所にある眼科がスタッフを募集しているか調べるといいでしょう。直接電話するか、ホームページを確認するのが一般的なやり方です。

ただ、近所の眼科って言っても限られますよね。Googleなどで近場の眼科を検索しながら一つ一つ求人募集しているかを調べていくのも、骨の折れる作業だと思います。

もしネットをベースに探すのであれば、求人サイトを利用しましょう。おすすめは「アルバイトEX」一択です。

アルバイトEXはこんなサイト↓

どうしてアルバイトEXがオススメかというと、このサイトは、「an」や「マイナビバイト」などのバイト求人サイトが一括検索できるからです。

眼科で働きたいなら検索キーワードはそのまま「眼科」でOK。もちろん、たくさんの候補が出てくるので、住んでいる地域など情報を足して検索範囲を狭めていきましょう。

ちなみに、アルバイト求人のサイトだと「バイトル.com」などが有名ですが、バイトル.comの検索フォームで「眼科」と検索をかけても、眼科の求人は一つか二つ出てこないんです。

その点アルバイトEXは、

アルバイトEX「眼科」で検索

「眼科」って検索すればこんな感じで求人中の眼科がたくさん候補に出てくるので便利。未経験の人を募集している眼科さんもたくさんあります。

【アルバイトEX】

2,アイシティなどのコンタクトレンズ販売店に採用され、検査員を志願する

「1」と同じように、近所の販売店で実際に求人しているか調べてみたり、ホームページを見たり、タウンワークなどの求人誌を見てみるのもいいでしょう。

ネット求人で探す場合は、やっぱり一括検索ができるアルバイトEXが便利ですね。一つのネット求人サイトを利用するより、明らかに多くの情報を楽に集められます。

たとえばアルバイトEXの検索フォームで「コンタクトレンズ」と検索をかければ「アイシティ」や「中央コンタクト」、「Zoff」など、コンタクトレンズを取扱っている求人がずらずらっと出てきます。

ただ、すべてのお店が眼科と提携しているかと言えばそうでもないので、眼科検査に携わりたいとなるとこういった販売店は除外しなければいけません。

確実なのはやっぱりアイシティですね。アイシティはどのお店も必ず眼科と提携しているので、特に「このショップで働きたい」というこだわりがないのであれば、選んでしまって良いでしょう。

アルバイトEXには検索窓が二つ用意されているので、片方に「コンタクトレンズ」、もう片方に「アイシティ」で検索をかけましょう。

アルバイトEXの検索フォーム

これで確実。90件以上のアイシティが検索候補に出てきます。

検索してみてもお近くにアイシティがなかったら、「コンタクトレンズ」×「眼科」など別のキーワードで検索をかけてみましょう。

【アルバイトEX】

3,「2」を達成したのち、販売店の受付に立たず眼科検査だけをこなし、眼科からの引き抜きを待つ

「3」は実際「2」と入り口は同じなので割愛します。
これに関しては、頑張りと運次第ですね。

目指せコンタクトレンズ・アドバイザー!

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